Kaoru Hoshino

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東京、12月20〜25日開催のクリスマスイベント6選

東京、12月20〜25日開催のクリスマスイベント6選

クリスマスは目前。2024年のクリスマスは平日なので、週末に祝う人も少なくないだろう。 まだ予定を決めかねているなら、このリストを参考にしてほしい。12月20日(金)から25日(水)の間に開催されるバラエティ豊かなクリスマスの特別イベントを6つに絞って紹介する。
東京、ドイツパン&スイーツ3選

東京、ドイツパン&スイーツ3選

タイムアウト東京 > ショッピング&スタイル >東京、ドイツパン&ドイツ菓子3選 東京都内でドイツパンやドイツ菓子を扱う店の数は決して多くないものの、どの店も本場さながらの味を提供する実力派ぞろいだ。独特の香ばしい風味とむっちりとした食感が魅力のプレッツェルや、アニスやカルダモンなどのスパイスが香るクッキーを提供する、おすすめの3店舗を紹介しよう。
東京、12月に行くべき漫画・アニメ展5選

東京、12月に行くべき漫画・アニメ展5選

タイムアウト東京 > アート&カルチャー > 東京、12月に行くべき漫画・アニメ展5選 12月も都内では、さくらももこ原作の漫画『コジコジ』の体験型展示をはじめ、アーティストがゴジラの世界観を再解釈した作品の展示やコミックマーケットなど、注目のアニメ関連イベントがめじろ押しだ。 一味違う展覧会で別の角度からアニメの世界を堪能してみては。 関連記事『USJの新エリア「ドンキーコング・カントリー」が12月11日オープン』
東京、ドイツ発の名品が手に入るショップ5選

東京、ドイツ発の名品が手に入るショップ5選

タイムアウト東京 > ショッピング&スタイル > 東京、ドイツ発の名品が手に入るショップ5選 ドイツというと、多くの人がサッカーやビールを思い浮かべるかもしれない。しかし、ドイツ人にとってこれは聞き飽きた答えだろう。というのも、実際のところドイツにはほかにも誇れる名品が数多く存在するからだ。 例えば、家で過ごす時間が多いドイツでは、優れたボードゲームが数多く生み出されている。また、物を大切にする文化が根付いているため、半永久的に使用できる高品質な製品も多い。さらに、コンセプチュアルで唯一無二のファッションブランドが存在していることも、あまり知られていない。 そこで今回は、機能性やデザイン性に優れたドイツの名品を取り扱うショップを5つ紹介する。 関連記事『東京、クリスマスコンサート2024』『東京、クリスマスマーケット2024』
東京、12月に開催される蚤の市・マーケットイベント5選

東京、12月に開催される蚤の市・マーケットイベント5選

12月は、大規模なマーケットイベントが目白押しだ。東京都の無形民俗文化財に指定されている伝統的な「世田谷のボロ市」や、作家自身が自作の文学作品を手売りする「文学フリマ」など、毎年注目を集めるイベントが多数開催される。 今回は、寒さが本格化するこの季節にぴったりな屋内開催のイベントを中心に、5つ厳選して紹介する。 関連記事『新橋の横丁タワー「グランハマー」でしかできない6のこと』
新橋の横丁タワー「グランハマー」でしかできない6のこと

新橋の横丁タワー「グランハマー」でしかできない6のこと

タイムアウト東京 >  Things To Do > 新橋の横丁タワー「グランハマー」でしかできない6のこと 鉄道発祥の地であり、鉄道路線の充実やオフィス街として多くのビジネスパーソンが行き交う新橋に、新しいフードレジャー施設「グランハマー」が2024年11月28日(木)にオープンする。食・エンターテインメント・日本の伝統文化が融合した新しい空間だ。 同施設は地下1階から8階までの全9フロアで構成され、「横丁」「エンターテインメント」「おもてなし」「レジャー&リラクゼーション」「日本文化」の5つのコンセプトで構成されている。全フロアには12のテーマブースが設置され、多彩な切り口で日本の魅力を発信する。 食事を楽しむ、個室でグループと過ごす、サウナで心身をリフレッシュするなど、さまざまな楽しみ方ができる空間となっている。24時間営業エリアも多く、終電を気にせず楽しめるのも大きな特徴だ。 ここでは、グランハマーの魅力を6つに分けて紹介する。 関連記事『東急歌舞伎町タワーでしかできない7のこと』
東京、10月にグラフィックデザインを考える展覧会3選

東京、10月にグラフィックデザインを考える展覧会3選

タイムアウト東京 > カルチャー >東京、10月にグラフィックデザインを考える展覧会3選 10月はグラフィックデザインの展覧会が目白押しだ。日本の広告界をリードする大貫卓也や花森安治の展覧会はもちろん、注目の若手デザイナー・上西祐理の展示も見逃せない。 デザインや印刷、出版業界に革命をもたらした写真植字の歴史を学べる展覧会も開催される。グラフィックデザインを多角的に楽しめる機会に、ぜひ足を運んでみては。 関連記事『東京、9月から10月に行くべきアート展』

News (15)

藤原ヒロシが手がける新たなカルチャーの発信源「V.A.」が原宿のモントーク跡に誕生

藤原ヒロシが手がける新たなカルチャーの発信源「V.A.」が原宿のモントーク跡に誕生

2022年3月、20年にわたって愛されてきた「モントーク(montoak)」が幕を閉じ、その跡地に物販・カフェ・ベーカリーを複合的に展開するコンセプトストア「V.A.」が2024年12月15日(日)に誕生する。 Photo: Kisa Toyoshima外観 ディレクターを務めるのは、日本のストリートファッションを牽引してきた藤原ヒロシ。さらに、カフェカルチャーの先駆者である山本宇一がカフェ監修を担当し、ストアデザインは「ステューシー 原宿チャプター(STÜSSY HARAJUKU CHAPTER)」などを手がけた荒木信雄が手がけるなど、東京カルチャーを代表する3人がタッグを組んだ話題のスポットだ。 Photo: Kisa Toyoshimaタイルが敷き詰められた階段 アンバー色のガラスに包まれた寡黙な外観はそのままに、店内に足を踏み入れると、工夫の凝らされたコンクリートの壁や、敷き詰められた小さな丸いタイルなど、装飾的な要素が詰め込まれたホテルのロビーのような空間が広がる。長い時間をかけて作り上げられた空間の細部に宿るこだわりは圧倒的だ。 Photo: Kisa Toyoshima 1階の物販エリアには、「New Era®」や「L.L.Bean」、「Levi’s®」といったブランドのコラボレーションアイテムが並ぶ。「UNDERCOVER」のデザイナーである高橋盾とディレクター西山徹が制作した限定アイテムにも注目したい。 Photo: Kisa Toyoshima1階の物販エリア Photo: Kisa Toyoshima裏側にロゴを印刷したL.L.Beanのトートバッグ Photo: Kisa Toyoshima1階の物販エリア また、「agnès b.」や「CONVERSE」が藤原ヒロシの「fragment design」とタッグを組んだ同店限定アイテムもラインアップされている。店名の「V.A.」が意味する「Various Artists」の名の通り、今後もさまざまなアーティストとのコラボレーション企画が予定されており、訪れるたびに新しい発見がある。 Photo: Kisa ToyoshimaVAT BAKERY Photo: Kisa Toyoshima店内で焼き上げられるVAT BAKERYのフード 中2階の「バット ベーカリー(VAT BAKERY)」では、店内で焼き上げたドーナツやペイストリーを提供。フォトジェニックなスイーツは2階のカフェスペースで味わうことができ、テイクアウトも可能だ。2階には2024年5月に閉店した神田の純喫茶「珈琲専門店 エース」から譲り受けた革張りの椅子とテーブルが並び、歴史と現代が調和した空間が広がる。 Photo: Kisa Toyoshima珈琲専門店 エースから譲り受けた椅子とテーブル   表参道の並木道を見渡せる大きな窓を備えたカフェスペースでは、「珈琲専門店 エース」の名物「のりトースト」や、白玉とあんこが贅沢に入った「あんこ抹茶ラテ」、そして甘さが特徴の「カフェパリス」など、懐かしくも新しいメニューが楽しめる。 Photo: Kisa Toyoshima「のりトースト」と「ドリップコーヒー」 Photo: Kisa Toyoshima「あんこ抹茶ラテ」(左)、「カフェパリス」 Photo: Kisa Toyoshimaカフェスペース この場所には、かつて1972年に開店した伝説のカフェ「カフェ ド ロペ(Café de Ropé)」があった。カル
2025年3月下旬、大宮に「住めるミニシアター」が誕生

2025年3月下旬、大宮に「住めるミニシアター」が誕生

埼玉県の大宮駅から徒歩5分の位置に、待望のミニシアター「オット(OttO)」が2025年3月下旬に誕生する。地域の文化を支える新たな拠点として、地域住民や映画ファンから大きな期待が寄せられている。 かつて日本全国に7000館以上あった映画館は、現在600館を下回るまでに減少。映画文化が息づいていた街も、今や過去のものとなりつつある。 さいたま市も例外ではない。かつて大宮には映画館が12館あったが、現在は駅から離れた場所にシネマコンプレックスが2軒あるのみ。文化の拠点としての役割を担っていた映画館は、街からほぼ消え去った。そんな背景の中での新たなチャレンジに、注目が集まっている。 画像提供:OttO1990年頃の大宮区桜木町1丁目エリア きっかけは自宅の建て替え 同プロジェクトを手がけるのは、地元在住の今井健太。1990年代から続く大宮駅西口の都市開発による街の変遷を、間近で感じてきた人物だ。今井は、さいたま市が推進する土地区画整理事業により街並みが整備される一方、かつてのように人々が集える場所が失われていく現状を目の当たりにしてきた。 そんな中、義父が所有する建物の区画整理による建て替えを機に、土地の管理運営を託された。駅近という恵まれた立地にもかかわらず、今井は住宅の再建ではなく、地域の未来を見据え、この土地を文化インフラとして活用する決断を下した。 「近所の皆が仲良く、昔から住んでいる人も引っ越してきた人も顔を合わせる事ができる場所があった方がいい」という義父の思いを引き継いだ今井と、その理念に賛同して集まった仲間が、このプロジェクトを形にしたのだ。 気軽に立ち寄りたくなる場所 オットは、ミニシアターの枠を超えた複合施設として運営される。施設内にはカフェやシェアハウスも併設し、地域住民はもちろん、誰でも気軽に立ち寄れる場所を目指す。建築家の佐々木善樹が手がけるオットの館内は、機能性と心地よさを兼ね備えた風通しの良い空間になるよう設計が施されている。 1階には、バーカウンターとカフェスペースを設置し、モーニングからナイトタイムまで幅広い時間帯で食事が楽しめる。また、映画関連の書籍をはじめ、料理本、コミックなど多彩なジャンルの書籍が並ぶブックカフェとしても利用できる。週末にはマルシェやフリーマーケットの開催も予定されており、オープンな場所として活用されるという。 画像提供:OttO1階のバーカウンターとカフェスペースのイメージ 2階はシアタールーム。約220インチのスクリーンと50席の観客席を備えた上映室には、山形の「鶴岡まちなかキネマ」から譲り受けた座席を使用する。映画上映だけでなく、音楽ライブや講演会、貸し切り上映会にも対応するなど、多目的な利用が可能。また、3階から5階には、短期から長期滞在まで対応できる25室のシェアハウスが併設される。 画像提供:OttO2階のシアタールームのイメージ 画像提供:OttOシェアルームのイメージ 池袋や新宿へのアクセスが良く、大宮は「通り過ぎる街」になりがちだった。しかし、この新しい映画館の誕生をきっかけに、大宮が文化を発信する街へと変わっていく未来を期待せずにはいられない。 オットの開館には、クラウドファンディングによる支援が欠かせない。5,000円から支援ができ、1万円の「ムビチケミニシアター券」を購入すれば、オープン日から1年間映画を楽しみながら応援できる。集められた資金は、デジタルシネマ映写機の導入やカフェ・シェアハウスの運営費用に充てられる予定だ。 クラウドファンディングの詳細は
「大阪・関西万博」でオランダが次世代に伝えたいこと

「大阪・関西万博」でオランダが次世代に伝えたいこと

「2025年大阪・関西万博」(以下、万博)では、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマに沿って、各国のSDGsの達成に向けた取り組みが展示される。その中で注目されるのが、子どもたちへの教育やサステナビリティをテーマにしたオランダの取り組みだ。 オランダは過去に「子どもの幸福度ランキング」で3回首位を獲得するなど、子どもが幸せに暮らせる国として知られており、循環型社会の実現に向けた政策にも積極的である。 こうした背景を受け、オランダ王国大使館・総領事館と、日本語教科書の出版や講演を通じてマルチリンガルの子ども教育に関わる活動を行うオランダ在住の日本人3人から成る「おひさまプロジェクト」は、大阪・関西万博の特別企画として、子どもたちに向けたワークショップを2024年12月1日、「ITOCHU SDGs STUDIO」で開催した。 Photo: Kaoru Hoshinoネイティブ講師によるオランダ語レッスンの様子 オランダは「子どもの幸福度ランキング」首位常連 最初に、オランダ語の簡単なあいさつや、オランダの文化を紹介。単なる紹介だけでなく、リサイクル率向上の一環として採用されているペットボトル飲料のデポジット制などを例に挙げ、オランダがSDGsをどのように日常生活に取り入れているかをクイズ形式で子ども達に伝えた。子どもたちはオランダが実施するサステナブルな取り組みを楽しみながら学んだようだ。 Photo: Kaoru Hoshinoアップサイクルアートに使用する古紙を選ぶ子どもたち Photo: Kaoru Hoshinoアップサイクルアート制作中の様子 続いて行われたのは、古紙を使ったアップサイクルアートの制作。普段捨ててしまうものを再利用し、新たな価値を生み出すプロセスを体験した。SDGsを日常生活に取り入れる方法を経験する、貴重な機会となっただろう。 Photo: Kaoru Hoshinoこれらの古紙を再利用して、新たな作品が生まれる 「次世代に受け継ぐための万博だと考えています」と語るのは、万博担当商務官を務める在大阪オランダ王国総領事館のマルタイン・フーレ(Martijn Heule)。今回のイベントをはじめ、万博を通じてオランダが目指すのは、子どもたちに持続可能な社会の在り方を自然に理解してもらうことだ。 万博を契機に各国とのつながりを生むことで、将来、子どもたちがサステナビリティや他文化に親しみを持ち、興味を深めていく。そして、それがより良い未来を築くきっかけとなることが、万博が果たすべき重要な役割の一つである。 今後も、イベント・展示会・セミナーなど多彩なプログラムが予定されているので、引き続き注目したい。 Photo: Kaoru Hoshinoアップサイクルアート制作中の様子 万博の情報発信基地に期間限定ショップが登場 今回のワークショップが行われたITOCHU SDGs STUDIOの地下1階の「GALLERY」では、2025年1月31日(金)まで「2025大阪・関西万博コンセプトストア いのち輝くシリーズ 外苑前店」が展開中。会場は、「大阪・関西万博」のパビリオンや入場チケットなどの基本情報を伝える紹介スペースと、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に共鳴した公式ライセンス商品を展示・販売するスペースで構成されている。 Photo: Kaoru Hoshino大屋根リングの端材を再利用した展示台 注目は、商品だけでなく、その横に記載された製造過程の詳細や背景。サステナビリティに向
神楽坂の古い街並みに新スペースPAAMAが誕生、内装は関祐介が担当

神楽坂の古い街並みに新スペースPAAMAが誕生、内装は関祐介が担当

神楽坂に残る古い街並みの一角に現れた新スペース「パーマ(PAAMA)」で、韓国を代表するデザイナー、イ・カンホ(Kwangho Lee)の展覧会が2024年12月7日(土)まで開催中だ。イは、スタイロフォームやポリ塩化ビニル、鉄、陶土といった日常的で多様な素材を用いた家具のデザインで知られている。 Photo: Kaoru Hoshinoイ・カンホ 彼のデザインは、機能性を追求するだけでなく、実用性と芸術性を押し広げる挑戦そのものといえる。その取り組みとして、空間を「誰も住んでいない」と仮定することで、デザインの固定観念を打ち破り、自由な発想を広げるプロジェクト「NOL」は、彼の代表的なものの一つ。さらに韓国の伝統文化を再解釈して作品に取り入れるなど、ジャンルの枠を超えた活動に注目が集まっている。 Photo: Kaoru Hoshinoイ・カンホ 伝統的な技術や日常的な素材に新たな意味や解釈を与えるのは、彼のシグネチャースタイルになっている。このコンセプトをもとにロープやケーブルを編み込むことで制作されたのが、「Obsession(執着)」と名付けられたシリーズだ。 Photo: Kaoru Hoshinoイ・カンホ 同展のタイトルにもなっているこの作品群は、ナイロン製のロープや電気ケーブルを編み込み、日常的な素材を新しい形で再構築している。これらは1980年代の韓国家庭で見られた、母や祖母によるかぎ針編みの記憶からインスピレーションを得たもの。しかし、伝統的な枠にとらわれず、イならではのアプローチで有機的かつ彫刻的な作品へと生まれ変わった。その結果、観る人に新しい視点をもたらしている。 Photo: Kaoru Hoshino関祐介により制作された展示台 「東京らしさ」が詰まった新スペース パーマは、雑誌『ポパイ』のアートディレクターを務めた前田晃伸の事務所とギャラリーを併設した新しいスペースだ。ヘアスタイルの「パーマ」に由来するその名称には、髪形のように自由自在にスタイルや領域を変えるというコンセプトが込められている。 内装は、「サカイ(sacai)」をはじめ、「キコ コスタディノフ(Kiko Kostadinov)」の内装で知られるインテリアデザイナーの関祐介が担当。倉庫だった建物の雰囲気をあえて残し、インダストリアルな趣を活かした空間となっている。 Photo: Kaoru Hoshino自動販売機の間を抜けるとギャラリーへつながる階段がある 雑居ビルの地下に位置し、「こんな場所にギャラリーが?」と思わせる、東京特有の驚きが詰まったロケーションだ。ギャラリーへとつながる階段には、元の構造を生かした遊び心あるデザインが施されており、一見殺風景な空間にさりげない仕掛けが隠されている。 Photo: Kaoru Hoshino階段の上に作られた階段 展覧会に合わせ、「TOO MUCH Magazine」の編集チームが製作し、前田がアートディレクションを担当した作品集も販売されている。写真家の伊丹豪が撮影したイの作品や、前田自身が韓国のスタジオで撮影した写真、さらには独占インタビューも収録されており、イの世界観を存分に堪能できる一冊となっている。 Photo: Kaoru Hoshinoイ・カンホ 工業製品とハンドクラフトの境界を曖昧にするイの作品と、建物が調和した本展にぜひ足を運んでみては。 関連記事 『東京、11月から12月に行くべきアート展』 『東京、クリスマスツリー10選』 『2025年3月アジア初上陸、
1〜3位は都内のサウナが独占、2024年サウナランキングが発表

1〜3位は都内のサウナが独占、2024年サウナランキングが発表

2024年11月11日は「ととのえの日」。第3次サウナブームが始まってから早5年、サウナはもはや流行を超え、生活習慣として定着している。 これまでに100施設を越えるサウナ施設をプロデュースしてきたTTNEは、2018年から「SAUNACHELIN(サウナシュラン)」として、全国の革新的なサウナ施設を表彰・発表してきた。7年目を迎えた今年は、全国11件の施設がランクインを果たした。 ここでは、上位に選ばれた都内のサウナ施設や、特別賞を受賞した施設を紹介しよう。 TTNE株式会社TOTOPA 都立明治公園店 1位の座に輝いたのは、「明治公園」内にある「トトパ(TOTOPA)都立明治公園店」 。2024年3月、「国立競技場」の目の前に誕生した都市型スパ施設だ。男性用フロアには3つのサウナと、水深約160センチメートルの水風呂を含む2種類の水風呂、さらに3つの休憩エリアがあり、18通りの整い体験が楽しめる。  女性用フロアには、脱衣エリアと薬草スチームの蒸し湯を備えた館内着エリアがあり、女優のMEGUMIが選んだコスメがパウダースペースに揃う。サウナ初心者から上級者まで満足できる新感覚のスパ施設だ。  TTNE株式会社サウナ東京 「サウナ東京」は前年に続き2位をキープ。サウナストーンに水やアロマ水をかけて蒸気を発生させるオートロウリュサウナ「蒸気乱舞」をはじめ、メディテーションサウナ「瞑想」、スチームサウナ「戸棚蒸風呂」といったテーマの異なる5つのサウナを提供。さらに異なる水温の3つの水風呂と60席の休憩スペースを備え、関東最大規模の施設として2023年4月のオープン以来多くのサウナーたちをとりこにしている。 TTNE株式会社TREATMENT SAUNA SteaMs. 女性専用の「トリートメントサウナ スティーミズ(TREATMENT SAUNA SteaMs.)」が3位にランクイン。きめ細やかなスチームサウナが特徴で、天然ハーブを使ったハーバルサウナと交互に入ることで、美容効果とリラクゼーションを同時に得られる設計だ。 TTNE株式会社大谷元気炉六号基 特別賞には、栃木県宇都宮市大谷町にある「大谷元気炉六号基」が受賞。現代美術家の栗林隆が手がけたこの「体験型アートインスタレーション」は、大きな窯に薬草を入れて湯を沸かし、その蒸気を充満させたスチームサウナ状態の空間に観客が入るという体験型の作品。ハーブや薬草の香りと、濃密なスチームに包まれることで、あらゆる感覚が呼び起こされるという。まさに唯一無二の体験だ。 TTNE株式会社北こぶし知床 ホテル&リゾート 3位以下のランキングは、以下の通り。  4位 大阪サウナDESSE  5位 北こぶし知床 ホテル&リゾート   6位 別邸 仙寿庵  7位 CYCL  8位 Hiki stargazing sauna  9位 星野リゾート 青森屋  10位 塚原から風呂  11位 泊まれるサウナ屋さん 品川サウナ 寒さが増す季節、サウナで心身ともにリラックスしてみては。 関連記事 『「ミシュランガイド東京2025」全507軒の掲載店を発表、新たな三つ星獲得店も』 『スタジオツアーロンドンで最も人気のクリスマス特別企画が日本初上陸』 『TODA BUILDINGでしかできない5つのこと』 『建築家・隈研吾の手がけた2種類のクリスマスツリーが虎ノ門と銀座に登場』 『東京、イルミネーション2024』 東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら  
スタジオツアーロンドンで最も人気のクリスマス特別企画が日本初上陸

スタジオツアーロンドンで最も人気のクリスマス特別企画が日本初上陸

映画『ハリー・ポッター』シリーズ第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』で、ハリーたちが初めてホグワーツ魔法魔術学校で迎えるクリスマスのシーンは、まさに魔法の世界に飛び込んでみたくなるような特別なものだ。豪華なごちそうに、祝祭ムードを盛り上げるガーランド、きらめくオーナメントで飾られたツリーなど、セットや小道具までもが重要な出演者となって特別な世界観を作り上げている。 Photo: Kisa Toyoshima大広間でのクリスマスディナーの再現(ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ホグワーツ・イン・ザ・スノー) 2024年に開業1周年を迎えた「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」では、そんな『賢者の石』のクリスマスシーンを2024年11月9日(土)から2025年1月5日(日)までの期間限定で再現。この特別企画「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ホグワーツ・イン・ザ・スノー」は、イギリスの「スタジオツアーロンドン」で最も人気のあるイベントの一つ。ついに、東京での初開催が実現した。 Photo: Kisa Toyoshima撮影で使用されていた食品サンプルの再現(ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ホグワーツ・イン・ザ・スノー) 特に注目すべきは、映画制作に携わった職人たちが同じ手法で忠実に再現した「大広間」と「ホグワーツ城の模型」だ。撮影資料をもとに、セット・デコレーターのロージー・グッドウィン(Rosie Goodwin)率いるイギリスの職人たちが映画制作当時と同じ素材・プロセスで現地で製作したものを日本に運び、日本で組み立てるという徹底ぶり。それにより、細部までこだわり抜かれた仕上がりになっている。 Photo: Kisa Toyoshimaクリスマスには欠かせないヤマウズラのオーナメント(ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ホグワーツ・イン・ザ・スノー) ハリーたちが見たクリスマスの光景が目の前に蘇る 大広間での見どころは、イギリス伝統のクリスマスメニューがずらりと並ぶテーブル。よく見ると、テーブル上のクリスマスギフトは一つ一つ形が異なり、こだわりが詰まっている。さらに、大広間を囲む5〜6メートルのクリスマスツリーや、1000個を越えるオーナメントも圧巻だ。 Photo: Kisa Toyoshima大広間でのクリスマスディナーの再現(ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ホグワーツ・イン・ザ・スノー) 映画では一瞬しか見えない装飾がここではじっくり鑑賞できるのが嬉しい。リアリスティックに作り込まれた大広間にいると、ハリーたちが見たあのクリスマスの光景が目の前に広がるような体験が味わえる。 Photo: Kisa Toyoshima職人によって雪化粧を施されたホグワーツ城の模型(ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ホグワーツ・イン・ザ・スノー) 一方、クリスマス仕様の雪化粧を施されたホグワーツ城の模型も必見。粉雪に包まれたホグワーツ城は、建築の美しさが一層際立ち、神秘的な雰囲気を漂わせている。 Photo: Kisa Toyoshimaホグワーツ城の模型(ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ホグワーツ・イン・ザ・スノー) ホグワーツ城を照らす照明がゆっくりと明暗を繰り返し、朝から夜への時間の流れを表現する。光が暗くなるとともに、小さな窓から明かりがぽつぽつと点灯し始め、街灯も次第に一つずつ灯っていく。細部にまで至る巧妙な演出は、いつま
伝統工芸作家が新境地を開く「ポケモン×工芸展」が麻布台で開催

伝統工芸作家が新境地を開く「ポケモン×工芸展」が麻布台で開催

 「麻布台ヒルズギャラリー」で、2024年11月1日(金)から 2025年2月2日(日)まで、「ポケモン×工芸展-美とわざの大発見-」が開催される。これまでもポケモンは、ヴァン・ゴッホや現代アーティストのダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)といったアート界とのコラボレーションで人々を楽しませてきた。本展では、伝統工芸とポケモンという意外な組み合わせに期待が高まる。 Photo: Kisa Toyoshima須藤玲子『ピカチュウの森』ニードルレースで作られた、約900本のピカチュウのインスタレーション。中を歩いて作品を体験できる。/©2024 Pokemon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc Photo: Kaoru Hoshino須藤玲子『ピカチュウの森』(一部)/©2024 Pokemon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc 本展は、2023年に石川県の「国立工芸館」で初開催された後、米国の日本文発信拠点「ジャパン ハウス ロサンゼルス(JAPAN HOUSE Los Angeles)」などを巡回し、多くの反響を呼んだ。これまでの展示では、約70点の作品が紹介されていたが、今回の東京開催では初公開の新作も加わり、出品数は約80点に拡大した。 Photo: Kisa Toyoshima吉田泰一郎の作品群/©2024 Pokemon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc. Photo: Kisa Toyoshima吉田泰一郎『ミュウツー』/©2024 Pokemon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc. 今回は新たに、吉田泰一郎による全長約2メートルの実物大『ミュウツー』の彫刻をはじめ、優美な文様で飾られた植葉香澄の『蔦唐草文ジュペッタ』などが加わった。さらに、ピカチュウをモチーフにした桑田卓郎の陶器のインスタレーションには、新たな要素が加わり、従来の2倍のボリュームで登場する。 Photo: Kisa Toyoshima植葉香澄『蔦唐草文ジュペッタ』(左)/©2024 Pokemon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc. Photo: Kisa Toyoshima桑田卓郎『ボウル(ピカチュウ)』/©2024 Pokemon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc. 会場は3部構成となっている。第1部「すがた 〜迫る!〜」では、高度な工芸技術によってポケモンの存在感をリアルに引き出した作品が展示。第2部「ものがたり 〜浸る!〜」は、ゲームを通じて表現されたポケモンの世界観に浸れる作品が並ぶ。第3部「くらし 〜愛でる!〜」では、器や着物などの生活アイテムにポケモンが登場したかのような作品を楽しむことができる。 Photo: Kisa Toyoshima福田亨『雨上がり』/©2024 Pokemon. ©1995-2024 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc. ポケモン世代ならではの表現 出品作家は、ベテランから若手までの20人。その多くが1997年のアニメ放送をきっかけ
よみうりランドにイルミネーションで輝く日本唯一のツイン観覧車が出現

よみうりランドにイルミネーションで輝く日本唯一のツイン観覧車が出現

2024年に開園60周年を迎えた「よみうりランド」では、新しい観覧車「Sky-Go-LAND(スカイゴーランド)」のオープンや、特別なイルミネーションイベント「よみうりランド ジュエルミネーション2024」が開催されるなど、来園者を楽しませる内容が盛りだくさんだ。本記事では特におすすめしたい見どころをいくつか紹介しよう。 Photo: Kisa Toyoshimaマスコットキャラクターと、サノヤス・ライド代表取締役社長の大門淳(左)、よみうりランド代表取締役社長の溝口烈 1つ目は、新観覧車Sky-Go-LANDだ。この観覧車は、車椅子のまま乗車できる広々とした室内や、季節を問わず快適に楽しめるよう冷暖房を備えている点が特徴で、誰もが楽しめる設計となっている。また、観覧車には483灯のフルカラーLEDが取り付けられ、季節やイベントごとに多彩な光の演出が行われる。 Photo: Kisa ToyoshimaSky-Go-LAND 新観覧車のオープンに際し、よみうりランドの代表取締役社長の溝口烈は、「コロナ禍では既存の大観覧車をワーケーション用に利用したことがあるので、さらに居心地の良くなった新観覧車を社長室にしようとも考えています」と冗談交じりに魅力を伝えた。  Photo: Kisa Toyoshima大観覧車(左)、Sky-Go-LAND また、Sky-Go-LANDの向かいには、1980年のオープン当時「東洋一の大観覧車」として注目を集めた「大観覧車」が悠々と回る。この大観覧車は44年間にわたり、多くの人々に一生の思い出を提供してきたが、2025年1月13日(月・祝)をもって役目を終える予定だ。それまでの約2カ月半の期間限定で、日本で唯一の「ツイン観覧車」が楽しめる貴重な機会となっている。 Photo: Kisa Toyoshima「波のプールエリア」で行われる噴水ショー 2つ目の見どころは、2024年で15シーズン目を迎える人気イルミネーションイベント「よみうりランド ジュエルミネーション2024」。こちらも開園60周年を祝う特別な仕様に。今年のテーマは「LIGHT is LOVE~ダイヤモンド60セレブレーション~」。よみうりランドと来園客が共に築いてきた60年の絆を、世界で一番硬い物質とされるダイヤモンドに例えて名付けられた。 日が沈み空が暗くなる17時を過ぎると、園内のイルミネーションが一斉に点灯する。日中の雰囲気とは一転して、色とりどりの光が園内を幻想的に彩る。園内の至る所が光で演出されているが、中でも「アクアエリア」内の「波のプールエリア」で行われるドラマチックな噴水ショーは見逃せない。 高さ15メートルの巨大リングを中心に、音楽に合わせて238本の噴水がしなやかに踊る姿は圧巻だ。また、レーザーや炎も演出に加わり、コンサート会場さながらの迫力が感じられる。 Photo: Kisa Toyoshima開演60周年を祝うためのキャンドルに見立てた60本のイルミネーションのオブジェ ジュエルミネーションを手がけたのは、日本における照明デザインの第一人者であり、東京タワーのライトアップを通して東京の夜景に革新をもたらした石井幹子。「光は浴びるものです。自分の目でその美しさや優しさを感じに来てください」と、石井は光に対する思いを語った。 一つ一つ特注で制作したというイルミネーションの色彩は、実際に近くで見ると非常に繊細で、隣り合う色と色の組み合わせが美しい情景を生み出している。  Photo: Kisa Toyoshi
人気写真家アレック・ソスの展覧会「部屋についての部屋」が東京都写真美術館で開催中

人気写真家アレック・ソスの展覧会「部屋についての部屋」が東京都写真美術館で開催中

アメリカ出身の写真家、アレック・ソス(Alec Soth)の展覧会「部屋についての部屋」が2025年1月19日(日)まで「東京都写真美術館」で開催中だ。5年もの歳月をかけて展覧会の構想について対話を重ね、ついに開催が実現したという本展に期待が膨らむ。 1969年生まれのソスは、ミネソタ州ミネアポリスを拠点に、旅先で出会った人々や風景をカメラに収める手法で知られる写真家だ。彼のキャリアは、2003年の「レビュー・サンタフェ」という国際的なポートフォリオのレビューイベントでグランプリに選ばれたことから始まった。 Photo: Kaoru Hoshino作品を解説するアレック・ソス 翌年には「ホイットニービエンナーレ」の出品作家に選出され、その後も世界各地で展覧会を開いている。2004年には、代表作となる写真集『Sleeping by the Mississippi』が出版され、瞬く間に注目を集めた。 近年では、2022年に「神奈川県立近代美術館 葉山」で展覧会を開催し、2024年にはラグジュアリーブランド、「BOTTEGA VENETA」のキャンペーンビジュアルに携わるなど、日本でも活発に活動している。 Photo: Kaoru Hoshino左から『New Orleans, Louisiana』(2002年)と『Crystal, Easter, New Orleans, Louisiana』(2002年) これまでソスは、アメリカ国内を車で旅し、そこで出会った人や風景を撮影するアーティストという文脈で語られることが多かった。しかし今回の展覧会は、「アメリカを代表する写真家」や「ロードトリップの写真家」といった言葉でくくるのではなく、キーワードを「部屋」に絞っている点で新しい。 Photo: Kaoru Hoshino『Park Hyatt Hotel, Tokyo (mirror)』(2015年) 会場には、ソスの初期作品から世界初公開となる新作まで幅広く展示されているが、彼自身の意向で、単なる業績を振り返る回顧展にはなっていない。本展は、彼の作品を新たな切り口で構成することで、これまでの作品の編み直しを試みる。従来の形式にとらわれない本展は、彼の表現の本質に迫る一味違ったアプローチとなっている。 Photo: Kaoru Hoshino『Anna, Kentfield, California』(2017年) 会場に入って5番目の部屋に展示されている『I Know How Furiously Your Heart is Beating』のシリーズは、本展のテーマを生み出すきっかけになった作品群で、これまでの作風とは趣が異なる。従来のように特定の場所で撮影するのではなくさまざまな場所で撮影された写真が集められていることや、あらかじめ紹介された人物を撮影していることなどが特徴的だ。 また、中心的なモチーフとして「部屋」が取り上げられている点にも注目したい。写真に映り込む鏡や窓によって、部屋が物理的な空間を超え、内面的な世界をほのめかしているように感じられる。 Photo: Kaoru Hoshino『Nick, Los Angeles』(2017年) この『I Know How Furiously Your Heart is Beating』シリーズのタイトルは、アメリカの詩人、ウォレス・スティーヴンズ(Wallace Stevens)によって書かれた詩『灰色の部屋』の一節から引用されている。「どれだけ激しくあなたの心臓が鼓動してい
こんな本屋を待っていた、東中野に独立書店「プラットフォーム3」が誕生

こんな本屋を待っていた、東中野に独立書店「プラットフォーム3」が誕生

大久保と中野に挟まれ、長らく無色透明な印象だった東中野。しかし、今この街が少しずつ色彩を帯び始めている。JR東中野駅の西口を出てすぐ、角地に建つビンテージビルの赤いドアを頼りに4階まで上がると、独立書店「プラットフォーム(platform)3」がある。  Photo: Kaoru Hoshino入り口付近にはグッズや絵本が並ぶ 同店は、アジアを中心とした2000冊以上もの書籍や雑誌などを販売する「ロンリネス ブックス(loneliness books)」のオーナー・潟見陽と、ZINEの制作をはじめ、アイデンティティーを表現する人々によるパーソナルなZINEを集める出版レーベル「(TT)プレス(press)」の丹澤弘行とともまつりかの2人が共同運営する、独立書店兼オルタナティブスペースだ。 Photo: Kaoru Hoshino店内に置かれたZINE 店名は、ソウルにあるホンデ駅の上にあるクリエーター向けスペース「プラットフォーム(Platform)P」に由来し、3人が親交を深めた場所に敬意を込めたもの。さらに、東中野駅の1番ホーム、2番ホームと続く位置にあるビルの並びから、「3番目のホーム」という意味も込められている。また、3人で運営するという意味とも重なり、「プラットフォーム3」と名付けられた。 Photo: Kaoru Hoshino店内 店内に足を踏み入れると、二面窓の心地よい開放感と、多角形の構造で包み込まれるような安心感がある。ゆったりと腰を下ろせるソファやローテーブルも置かれ、くつろぎながら読書を楽しめるのもうれしい。 Photo: Kaoru Hoshino雑誌の種類も豊富 書籍のラインアップは、潟見がロンリネス ブックスで取り揃えていた本に加え、丹澤とともまつの個性や関心が色濃く反映された選書が並ぶ。丹澤のセレクトには、クィア文化をはじめ、動物やかわいいものへの興味が表れている。また、詩作活動をしていることから、美しい言葉や表現に関連する本も集められている。 一方、音楽活動もしているともまつのセレクトには、音楽関連の書籍や東南アジアのカルチャー、特に現在影響を受けているというタイに関する書籍が並ぶ。さまざまな分野に興味を持つ3人によって選ばれた書籍が、分け隔てなく置かれているのが同店の特徴だ。 Photo: Kaoru Hoshino店内 また、装丁が美しいものや、絵本、アート性に富んだものなど、誰でも手に取りやすい書籍が揃っていることも本店の魅力。ビジュアルが多いZINEは、最初に手に取る一冊としてもぴったりだ。 Photo: Kaoru Hoshinoレジ前にもたくさんの本が並ぶ 「独立書店に入ることにハードルを高く感じている人たちにも、本が大好きな人たちにも気軽に来て楽しんでもらえるような書店を目指して、日々試行錯誤しています」と潟見が語るように、店内ではグッズやオリジナルTシャツの販売のほか、展覧会を開催し、多くの人々が楽しめる雰囲気づくりをしている。 Photo: Kaoru Hoshino左から、丹澤弘行、潟見陽、ともまつりか 今後は音楽イベントや読書会などの企画も計画中だ。さらに、3人は開店を機にPodcastで『東中野の三番線から』の配信を開始し、店舗の雰囲気や3人の人柄を伝える活動も行っている。ぜひチェックしてみてほしい。 Photo: Kaoru Hoshino目印の赤い看板 同店はアジアを中心に、世界各地から集められたZINEや書籍を通して、表現する人々とのつながりを感
民衆を見つめ続けた画家・北川民次の生誕130年を記念する展覧会が開催中

民衆を見つめ続けた画家・北川民次の生誕130年を記念する展覧会が開催中

約15年間にわたりメキシコで画家・教育者として活躍した北川民次の生誕130年を記念する展覧会「北川民次展―メキシコから日本へ」が、2024年11月17日(日)まで「世田谷美術館」で開催されている。 北川の回顧展は、1996年の「愛知県美術館」での開催以来、28年ぶり。これまで開催されなかった背景には、長く続いたヨーロッパ中心主義の影響で、それ以外の地域で活躍した日本人画家が広く紹介される機会が限られていたことがある。しかし、今回の展覧会は、ヨーロッパ以外の美術にも関心が高まってきた時代の流れを反映し、これまで見過ごされてきた空白を埋める重要なものだ。 Photo: Kaoru Hoshino『二十年目の悲しみの夜』(1965年) 北川はメキシコでの壁画運動に強く影響を受け、生涯にわたりメッセージ性の強い作品を制作し続けた画家として知られている。本展では、より深くその背景を掘り下げながら、民衆に注がれた彼の温かいまなざしに焦点を当てている。アメリカからメキシコ、そして日本へと続く彼の人生を、一緒に旅するような感覚でその軌跡をたどれる。 Photo: Kaoru Hoshino名古屋旧カゴメビル壁画原画『TOMATO』(1962年ごろ) 1894年、静岡の製茶の家に生まれた北川は、20歳の時、新天地を求めて渡米する。その後27歳で、革命の熱気が冷めやらぬメキシコへ渡った。メキシコでは、先住民の集落を回りながら宗教画を売り歩く日々を過ごす。先住民と生活をともにした経験は、彼の作品に大きな影響を与え、その後の作風に色濃く反映される。 画像提供:世田谷美術館『ロバ』(1928年) 2頭のロバの優しい目元が印象的な作品『ロバ』(1928年)は、メキシコで北川が評価されるきっかけになった作品だ。庶民にとって家族同然の存在であったロバを愛情深く描いたこの作品は、現地の画家から「我々の視点で見ている」と高く評価された。 Photo: Kaoru Hoshino『赤津陶工の家』(1941年) 帰国後に制作された『赤津陶工の家』(1941年)は、疎開先となる妻の実家のある瀬戸で描かれた作品である。瀬戸の陶器生産に携わる人々の生活に深い共感を抱きながら、人々の姿を描いた。 Photo: Kaoru Hoshino『ジャングル』(復刻版)1942年/1978年 さらに北川は絵本の制作にも携わり、未来を担う子どもたちに向けたメッセージを込めた。メキシコの民話を題材にした絵本や瀬戸の産業をテーマにした作品など、彼の絵本にも、常に民衆や人生に寄り添う視線が感じられる。 戦時中に絵本を制作することで、困難な時代の中でも希望をつなぎ、人間性を失わないよう努めていたのかもしれない。絵本制作を通じた教育の実践は、北川にとって人間の精神を探究するための試みだったと言える。 Photo: Kaoru Hoshino展示風景 会場には油彩約60点をはじめ、水彩・素描・版画など約50点の作品が並ぶ。さらに、1920〜30年代のメキシコにおける多様な芸術動向に関する資料や、当時交流のあった芸術家たちの作品も併せて展示される。 北川の軌跡を多角的に紹介するこの展覧会で、彼の芸術と人間への温かい眼差しを感じ取ってみては。 関連記事 『北川民次展―メキシコから日本へ』 『不屈の芸術家・田中一村の芸術観と生きざまに迫る展覧会が開催』 『浮世を愛した風俗画家、英一蝶の過去最大規模の回顧展が開催』 『東京、10月にグラフィックデザインを考える展覧会3選』 『30年の集大成、原宿・表
失われたバーミヤン大仏と東西交流の歴史をひもとく展覧会が日本橋で開催中

失われたバーミヤン大仏と東西交流の歴史をひもとく展覧会が日本橋で開催中

「バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰―ガンダーラから日本へ―」展が、日本橋の「三井記念美術館」で2024年11月12日(火)まで開催されている。バーミヤン遺跡の壁画に焦点を当てた本展では、壁画に描かれている太陽神と弥勒の世界に迫ることで、特に弥勒信仰の地理的な広がりをたどる。 Photo: Keisuke Tanigawa会場入口 バーミヤン遺跡は、「文明の十字路」とも呼ばれるアフガニスタンのヒンドゥークシュ山脈に位置し、崖面には無数の石窟や、2体の巨大な大仏が彫られている。「東大仏」は高さ38メートル、「西大仏」は55メートルに及び、その壮大さは当時の栄華を表していた。鎌倉大仏の台座を含めた高さが約13メートルであることから、バーミヤン大仏の圧倒的なスケールが感じられるだろう。   Photo: Keisuke Tanigawa『玄奘三蔵坐像』(鎌倉時代・13〜14世紀)日本、奈良・薬師寺所蔵 7世紀には、『西遊記』に登場する三蔵法師としても親しまれている中国の僧・玄奘(げんじょう)がこの地を訪れ、信仰の様子や大仏の姿を『大唐西域記』に記録している。しかし、2001年3月にイスラム主義組織・タリバンによって2体の大仏と、大仏が収められていた仏龕(ぶつがん)の壁画は無情にも爆破されてしまった。この出来事に心を痛めた人は多いのではないだろうか。 Photo: Keisuke Tanigawa「バーミヤン大磨崖測量関係資料」(1970年代)の一部分、京都大学所蔵 復元図から東西文明の交流をたどる 本展では、日本の調査隊が爆破前に記録した写真やスケッチをもとに新たに作成した壁画の復元図が公開されている。かつてのバーミヤンの輝かしい仏教世界を目にできる機会は貴重なものといえるだろう。 Photo: Keisuke Tanigawa「バーミヤン東大仏龕天井壁画書き起こし図」(2022年)日本、龍谷ミュージアム所蔵 西大仏の頭上には、「弥勒菩薩(ぼさつ)」と、菩薩が住むとされる兜率天(とそつてん)の様子が再現されている。また、東大仏の頭上には、古代ペルシアに起源を持つゾロアスター教の神・ミスラが4頭の白馬に引かれた馬車に乗る姿が描かれており、バーミヤンが異文化の影響を受けていたことが垣間見える。 Photo: Keisuke Tanigawa『スーリヤ像』(4〜6世紀)インド・マトゥラー、龍谷ミュージアム所蔵 さらにミスラの下方左右には、西洋の宗教画でも見られるような翼を持つ天使が描かれており、上部には東洋の画題としてもお馴染みの『風神雷神図』に登場する風神の姿さえ登場する。異なる宗教の神々が一つの壁画に共存していることは、バーミヤンが多文化の交差点であったことを物語っている。 Photo: Keisuke Tanigawa『風神像』(グプタ朝・5〜7世紀)インド北部、平山郁夫シルクロード美術館 弥勒信仰は日本へ バーミヤンの壁画は、東西文明の交流を象徴するものであり、その中心に描かれているのが弥勒菩薩である。弥勒菩薩は未来仏として、ブッダが入滅してから56億7000万年後に兜率天から地上に降臨し、人々を救済すると信じられている。この弥勒信仰はインドからシルクロードを経て、中国や日本にも伝わった。 Photo: Keisuke Tanigawa展示風景 会場には、ガンダーラや中国、日本で作られた数多くの弥勒菩薩像が展示されており、生み出される場所が移動するにつれて姿を変えていく様子を見ることができる。その変化する姿を通して、各地域