Io kawauchi

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Interview: Hiroaki Miyata

Interview: Hiroaki Miyata

Expo 2025 Osaka, Kansai, Japan will feature eight signature themed pavilions. The organisers challenged their curators to aim high, bringing the most important ideas of our times to life in both physical and virtual spaces. The signature pavilions and the programme of events associated with them are intended to inspire Expo attendees to think about life in its many facets and to encourage creative action. Such endeavours could begin with small efforts for the sake of others and the planet, eventually building into a movement for positive change in line with the Expo’s theme of ‘designing future society for our lives’. This time we spoke with data scientist Hiroaki Miyata, who has been tasked with producing the ‘Resonance of Lives’ pavilion. Miyata is noted for his work on Japan’s National Clinical Database, an archive of surgery-related information aimed at improving medical care across the country through the cooperation of more than 5,600 hospitals and other care facilities. He was also instrumental in organising the surveys of Covid-19 symptoms among the public that were conducted by the Japanese government via the messaging app Line during the pandemic. We sat down with Miyata, who is the Professor and Chair of the Department of Health Policy Management at the Faculty of Medicine at Keio University, to understand his ambitions for the Resonance of Lives project and to get the background on his idea of ‘Better Co-Being’, which forms the core of the pavilion’s programme. R
大阪・関西万博シグネチャーパビリオンの一つは情報革命時代のモナリザになるのか

大阪・関西万博シグネチャーパビリオンの一つは情報革命時代のモナリザになるのか

「2025年日本国際博覧会」(以降、大阪・関西万博、万博)における中核事業に、テーマ事業「シグネチャープロジェクト(いのちの輝きプロジェクト)」がある。これは、各界で活躍する8人のプロデューサーが主導し、展示パビリオン「シグネチャーパビリオン」とイベント「シグネチャーイベント」をリアル会場・バーチャル会場で展開するというものである。 シグネチャープロジェクトから得られる体験は、人々に命を考えるきっかけを与え、創造的な行動を促す。また、他者のため、地球のために、一人一人の小さな努力の始まりを促し、その重なり合い、響き合いが人を笑顔にし、ともに「いのち輝く未来社会をデザインすること」につながっていくものを目指すという。 今回はその中でも、テーマ事業「いのちを響き合わせる」におけるプロデューサーである宮田裕章に話を聞いた。彼が手がけるシグネチャーパビリオンには一体どんな思いが込められているのか、また、そこではどんな体験ができるのだろうか。 関連記事『大阪・関西万博ガイド』 Photo: Hiroaki Miyata 「共有」が価値を持つ時代の「Better Co-Being」 ―宮田さんは、全国5600以上の医療施設が参加する手術症例のデータベース「National Clinical Database(NCD)」の開発や、コロナ禍に厚生労働省とLINEが実施し、累計9000万以上の回答を集めた「新型コロナ対策のための全国調査」を主導するなど、医療政策をベースにしたデータサイエンティストとして知られています。今回の大阪・関西万博で宮田さんが担当するシグネチャーパビリオンのテーマは、「いのちを響き合わせる」。まずは、このテーマに対する宮田さんの思いについて教えてください。 分かりました。人類の歩みに変革をもたらしたのは、「技術」です。農業革命から始まり、産業革命があって、情報革命が起きました。1970年の大阪万博(日本万国博覧会)は、産業革命によって世界が大きく変わっていくところに日本の人々が未来を感じ、熱狂した瞬間だったと思います。 今回の万博は、情報革命というこれまでにない変化の中で世界全体が模索を続けている今、どうやってともに未来を見るのかという問いがすごく重要になるタイミングだと思っています。 ―情報革命は、農業革命や産業革命とどう違うのでしょうか? 農業革命は土地を持つこと、産業革命はお金を持つことが目的になっていました。食料も産業革命を支えた化石燃料も、食べたり使ったりするとなくなってしまう限られた資源なので、「排他的な保有」が有利になるからです。 しかし、情報革命で扱われるデータは共有することで力を発揮します。それは、コロナ禍において遺伝子データを共有したことでワクチンの開発が加速したり、インターネット上で共有される情報によって生成AI(人工知能)が爆発的に成長していることからも明らかです。 ―独占ではなく、「共有」が価値を持つ時代に「いのちを響き合わせる」とは? 情報革命という転換点の渦中にある世界には多くの混乱がありますし、不均衡、不平等は厳然として残されています。それを踏まえた上で、未来にどう向かっていけばいいのかをともに考えることで一歩前進できるのではないかという思いから、「いのちを響き合わせる」というテーマに合わせて、「Better Co-Being」という言葉を掲げました。 万博という世界中の人たちが集う場でアイデアを共有し、議論を深めながら、よりよい未来を目指してともに創り、ともに生きることを考えるきっかけになればいいと
大阪万博パビリオン「いのち動的平衡館」が問い直すべき生命観とは

大阪万博パビリオン「いのち動的平衡館」が問い直すべき生命観とは

※本記事は、「UNLOCK THE REAL JAPAN」に2024年3月29日付けで掲載された『SIGNATURE moves』を翻訳、加筆・修正を行い転載。 2025年に開催される「大阪・関西万博」のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」。プロデューサーに選ばれた8人は、それぞれが主導になって「シグニチャーパビリオン」を展開する。青山学院大学教授の福岡伸一もその一人だ。いよいよ建設が始まったパビリオンに込めた思いを福岡に聞いた。
鳥取の辺境リゾート「大江ノ郷自然牧場」に年間36万人が訪れる訳(後編)

鳥取の辺境リゾート「大江ノ郷自然牧場」に年間36万人が訪れる訳(後編)

タイムアウト東京 > Things to do >鳥取の辺境リゾート「大江ノ郷自然牧場」に年間36万人が訪れる訳(前編) 鳥取のナチュラルリゾート「大江ノ郷自然牧場」。食と体験が楽しめる複合施設で、辺ぴな立地にもかかわらず、年間約36万人が訪れる。同施設を手がけたひよこカンパニーの創業者、小原利一郎に人気の秘密を聞いてみた。 前編では、同施設の礎である、自然にこだわった養鶏業の始まりを紹介。その後、カフェ「ココガーデン」を開業した。スイーツが好きではなかった彼が、人々が喜ぶものを提供し、地域に観光客を呼び込もうと努力する。 卵の味にこだわりを持ち、無添加のスイーツを追求。配達員をシェフに起用するなど、大胆な選択が続き、試行錯誤しながら店は大成功を収める。施設は拡張し、観光客の数がぐんと増加した。後編では、大江ノ郷自然牧場の成長と発展を小原から聞く。 なお当記事は、一般社団法人日本地域国際化推進機構が提唱する「観光新時代」(NEXTOURISM)を実際に体現している取り組みを、全国のさまざまな地域から取り上げる連載企画「観光新時代〜多様性を切り拓く挑戦者たち〜」から転載したものである。 同連載の企画・取材・執筆は、ジャンルを問わず「世界を明るく照らす稀(まれ)な人」を追う「稀人ハンター」こと川内イオが担当。川内は、書籍「農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦」(2019年、文春新書)を皮切りに、農業や食の領域を中心に、既成概念に捉われない、多様化する担い手たちやビジネスの在り方を紹介しており、その視点は観光領域において、観光の多様化に着目してきた機構の活動と重なっている。 関連記事『鳥取の辺境リゾート「大江ノ郷自然牧場」に年間36万人が訪れる訳(前編)』
鳥取の辺境リゾート「大江ノ郷自然牧場」に年間36万人が訪れる訳(前編)

鳥取の辺境リゾート「大江ノ郷自然牧場」に年間36万人が訪れる訳(前編)

タイムアウト東京 > Things to do >鳥取の辺境リゾート「大江ノ郷自然牧場」に年間36万人が訪れる訳(前編) 鳥取東部の大自然の中にある、食と体験が楽しめる複合施設「大江ノ郷自然牧場」。ブランド卵「天美卵(てんびらん)」を使用した自然派メニューが揃うカフェやレストラン、食育体験教室などを展開している。 10年前は観光客が一人もいなかった土地だが、今では年間約36万人が訪れる場所へと変貌した。鳥取の辺ぴな地にあるナチュラルリゾート。一体どのようなことが多くの人を引きつけているのか。同施設を手がけたひよこカンパニーの創業者、小原利一郎に話を聞く。 なお当記事は、一般社団法人日本地域国際化推進機構が提唱する「観光新時代」(NEXTOURISM)を実際に体現している取り組みを、全国のさまざまな地域から取り上げる連載企画「観光新時代〜多様性を切り拓く挑戦者たち〜」から転載したものである。 同連載の企画・取材・執筆は、ジャンルを問わず「世界を明るく照らす稀(まれ)な人」を追う「稀人ハンター」こと川内イオが担当。川内は、書籍「農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦」(2019年、文春新書)を皮切りに、農業や食の領域を中心に、既成概念に捉われない、多様化する担い手たちやビジネスの在り方を紹介しており、その視点は観光領域において、観光の多様化に着目してきた機構の活動と重なっている。 関連記事『福祉施設を開いたら1万人がやってきた、しょうぶ学園の型破りな挑戦(前編)』
夫婦が手作りで始めた観光農園が年間10万人を集めるワケ(後編)

夫婦が手作りで始めた観光農園が年間10万人を集めるワケ(後編)

タイムアウト東京 > Things to do >夫婦が手作りで始めた観光農園が年間10万人を集めるワケ(後編) バンブーデッキや空中回廊など、森の中を自由に過ごす新しいスタイルのカフェが注目を集めている体験型観光農園「白糸の森」。ここは福岡県糸島市の山中にありながら、年間10万人が訪れる希有な農園だ。 前編では、同農園を生み出した一級建築士の大串幸男と妻の前田和子は、一体なぜ、荒れ放題だった福岡県糸島市の里山を農業と林業と食を通して人が集まる「楽園」へと変えようと決意したのか。そのきっかけと、険しい奮闘の軌跡を紹介した。後編では、「写真映え」だけではないカフェの魅力や、二人が考える白糸の森の未来について語ってくれた。 当記事は、一般社団法人日本地域国際化推進機構の提唱する「観光新時代」(NEXTOURISM)を実際に体現している取り組みを全国のさまざまな地域から取り上げる連載企画「観光新時代〜多様性を切り拓く挑戦者たち〜」から転載したものである。 同連載の企画・取材・執筆は、ジャンルを問わず「世界を明るく照らす稀な人」を追う稀人(まれびと)ハンターこと川内イオが担当。川内は、書籍「農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦」(2019、文春新書)を皮切りに、農業や食の領域を中心に、既成概念に捉われない、多様化する担い手たちやビジネスの在り方を紹介してきており、その視点は、観光領域において、観光の多様化に着目してきた機構の活動と重なっている。 関連記事『福祉施設を開いたら1万人がやってきた、しょうぶ学園の型破りな挑戦』
夫婦が手作りで始めた観光農園が年間10万人を集めるワケ(前編)

夫婦が手作りで始めた観光農園が年間10万人を集めるワケ(前編)

タイムアウト東京 > Things to do >夫婦が手作りで始めた観光農園が年間10万人を集めるワケ(前編) 福岡県糸島市にある白糸の森。年間10万人が訪れる体験型観光農園として、注目を集めている。大半の人の目当ては、森の中でカフェをすること。夏場の繁忙期には、1日最大500人の客が訪れるという。この観光農園を作ったのは、なんと1組の夫婦。一体どのような経緯で年間10万人もの人が集まる場所になったのか、2人にインタビューを行った。 当記事は、一般社団法人日本地域国際化推進機構の提唱する「観光新時代」(NEXTOURISM)を実際に体現している取り組みを全国のさまざまな地域から取り上げる連載企画「観光新時代〜多様性を切り拓く挑戦者たち〜」から転載したものである。 同連載の企画・取材・執筆は、ジャンルを問わず「世界を明るく照らす稀な人」を追う稀人(まれびと)ハンターこと川内イオが担当。川内は、書籍「農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦」(2019、文春新書)を皮切りに、農業や食の領域を中心に、既成概念に捉われない、多様化する担い手たちやビジネスの在り方を紹介してきており、その視点は、観光領域において、観光の多様化に着目してきた機構の活動と重なっている。 関連記事『福祉施設を開いたら1万人がやってきた、しょうぶ学園の型破りな挑戦』
福祉施設を開いたら1万人がやってきた、しょうぶ学園の型破りな挑戦(前編)

福祉施設を開いたら1万人がやってきた、しょうぶ学園の型破りな挑戦(前編)

タイムアウト東京 > Things to do >福祉施設を開いたら1万人がやってきた、しょうぶ学園の型破りな挑戦(前編) 鹿児島市内にある知的障がい者支援施設「しょうぶ学園」は、ケヤキの並木道を進むと現れる。晴れた日にはキラキラと木漏れ日が降り注ぐその道の先には緑豊かなキャンパスが広がり、さまざまな形の建物が並んでいる。 屋久島在住のアメリカ人建築家、ウィリアム・ブラワーのデザインよるもので、温かさと同時にワクワクするような遊び心を感じさせる。新型コロナウイルスのパンデミックが始まる前の2019年、約1万人がこの施設に訪れた。 なぜ、しょうぶ学園は多くの人を引きつけるのか。「常識」や「当たり前」を打ち破る、数々の挑戦について統括施設長の福森伸に話を聞いた。 なお当記事は、一般社団法人日本地域国際化推進機構の提唱する「観光新時代」(NEXTOURISM)を実際に体現している取り組みを全国のさまざまな地域から取り上げる連載企画「観光新時代〜多様性を切り拓く挑戦者たち〜」から転載したものである。 同連載の企画・取材・執筆は、ジャンルを問わず「世界を明るく照らす稀な人」を追う稀人ハンターこと川内イオが担当。川内は、書籍「農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦」(2019/文春新書)を皮切りに、農業や食の領域を中心に、既成概念に捉われない、多様化する担い手たちやビジネスのあり方を紹介してきており、その視点は、観光領域において、観光の多様化に着目してきた機構の活動と重なっている。 関連記事『日本で唯一のチベット医が説く「ケア&シェア」文化と健康寿命の意外な関係性』
福祉施設を開いたら1万人がやってきた、しょうぶ学園の型破りな挑戦(後編)

福祉施設を開いたら1万人がやってきた、しょうぶ学園の型破りな挑戦(後編)

タイムアウト東京 > Things to do >福祉施設を開いたら1万人がやってきた、しょうぶ学園の型破りな挑戦(後編) コロナ禍以前、2019年に1万人以上が訪れた知的障がい者支援施設が鹿児島市内にある。この「しょうぶ学園」は、障がい者の居住棟だけでなく、工房、ギャラリー、ショップ、ベーカリー、そば屋、イタリアンのレストラン、少し離れた場所にはアーティストの公演が開催されるホールを完備。デートスポットとしても人気を博している全国でも希有な施設だ。 前編では、しょうぶ学園統括施設長・福森伸に、自身の生い立ちや、数々のアイデアを実現させた挑戦の軌跡について語ってもらった。後編では、より本質的な面に触れながら、複合施設「アムアの森」の誕生など、しょうぶ学園のさらなる進化について紹介する。多様性を獲得したパブリックな場所が、一体何をもたらしたのか。そこには「奇跡」と呼ぶに相応しい新たな社会の可能性が拡がっている。 なお当記事は、一般社団法人日本地域国際化推進機構の提唱する「観光新時代」(NEXTOURISM)を実際に体現している取り組みを全国のさまざまな地域から取り上げる連載企画「観光新時代〜多様性を切り拓く挑戦者たち〜」から転載したものである。 同連載の企画・取材・執筆は、ジャンルを問わず「世界を明るく照らす稀な人」を追う稀人ハンターこと川内イオが担当。川内は、書籍「農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦」(2019/文春新書)を皮切りに、農業や食の領域を中心に、既成概念に捉われない、多様化する担い手たちやビジネスのあり方を紹介してきており、その視点は、観光領域において、観光の多様化に着目してきた機構の活動と重なっている。 関連記事『福祉施設を開いたら1万人がやってきた、しょうぶ学園の型破りな挑戦(前編)』
日本で唯一のチベット医が説く「ケア&シェア」文化と健康寿命の意外な関係性

日本で唯一のチベット医が説く「ケア&シェア」文化と健康寿命の意外な関係性

タイムアウト東京 > Things to do > 日本で唯一のチベット医が説く「ケア&シェア」文化と健康寿命の意外な関係性 長野県上田市の山すそ、歴史ある塩田水上神社の隣に「森のくすり塾」という薬房がある。気軽に集い学べる「塾」のような存在でありたいという願いから始まった同塾は、一つの薬草から歴史や文化、大自然、現代薬とつながり、「くすり」の世界観を育むことを目的にしている。 2016年にこの薬房を開いたのは、日本で唯一チベット医(アムチ)の小川康だ。そんな異色の資格を持つ小川のもとを訪れる人は後を絶たない。一体彼に何を求めているのだろうか。直接話を聞いた。 日本とチベットの医療における文化的な相似点や、超高齢化社会を迎える日本で「健康」であり続けるためのヒントになるような考え方を教えてくれた。 関連記事『飛騨古川でクールな田舎を作るSATOYAMA EXPERIENCEが目指す観光形態とは』
大阪・関西万博デビューを目指す「空飛ぶクルマ」は何を可能にするのか

大阪・関西万博デビューを目指す「空飛ぶクルマ」は何を可能にするのか

※本記事は、『Unlock The Real Japan』に2022年3月21日付けで掲載された『Blue-sky thinking』の日本語版。 『2025年日本国際博覧会』(以降、大阪・関西万博)では、「移動」が一つの目玉コンテンツになるかもしれない。2018年7月の創業以来、「空飛ぶクルマ」を開発しているスタートアップ、スカイドライブ(SkyDrive)は2021年9月、『大阪・関西万博』でのエアタクシーサービス提供に向けて、大阪府、大阪市と連携協定を締結した。 空飛ぶクルマとは電動垂直離着陸機のことで、eVTOL(イーブイトール=Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft) とも称される。エアタクシーが実現すると、既存の交通インフラなら20分から40分かかっていたところへ5分から10分で行けるようになり、大阪の景色を空から楽しみながら、快適に最短距離を移動できるようになる。 スカイドライブを率いる福澤知浩に開発への思いや、その道のりについて話を聞いた。