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濃い目に出すぎた紅茶のような褐色肌にベビーオイルが塗りたくられ、ラップで包まれた2つのグラニー・スミス・アップルのように滑らかにワックス脱毛された尻の男性ストリッパーは、時代遅れすぎて80年代リバイバルで復活を遂げることは難しいだろう。
しかし、2012年にスティーヴン・ソダーバーグ監督が手がけた映画『マジック・マイク』は、男性ストリッパーが時代遅れではないことを証明するという奇跡を起こした。同作は主演を務めるチャニング・テイタムが10代の頃に積んだストリッパーの経験に基づいており、現実の世界でも褐色の胸筋は披露されていたのだ。
続編となる『マジック・マイク XXL』で、再び目玉となっているのは、主人公マイクを演じるチャニング・テイタムだ。くだらないが非常に楽しい今作では、オスカー候補並の擬似セックスシーンを披露しながら復活を果たしている。物語は前作から3年後という設定で、マイクは引退し家具を作る仕事をしているが、最後にストリッパーの大会に挑戦し最高のパフォーマンスを仲間と披露するという誘惑から復帰を考える。
その後に展開されるのは、マイクとストリッパー軍団は誰が日焼けが薄くなったかについて口論しながらフロリダに向かうロードムービーだ。彼らがゲイクラブでダンスフロアを席巻するシーンが素晴らしかった(「ストリッパーとドラァグクイーンの脚毛を剃る習慣は基本的に同じ」というようなジョークがある)。
細くてしなやかな腰をしたストリップクラブのオーナー、ダラスを演じるマシュー・マコノヒーと、スティーヴン・ソダーバーグ監督が、前作では生き生きとした雰囲気を作り上げていたが、今作に参加していないことは惜しまれる(ソダーバーグは正式に監督業から退いており、今作では撮影監督、編集としてクレジットされている)。前作では盛大なパーティーが終了した後にフロアを食い尽くすペットの豚が描かれる一方で、今作では顔の前で股間を見せつけるグラインドダンスが満載だ。正直なところ、チャニング・テイタムのポルノ映画製作への参入が最も近しく感じられる作品である。
2015年10月17日(土)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT,LLC