『ブリジット・ジョーンズ』シリーズ3作目になる今作では、より充実した人生を送るブリジットが40代になって帰ってくる。かつてフェミニズムに対する罪を犯した彼女には多くの批判が集まったが、今作では面白さが増し、ますます機知に富んだ、心から笑える良作となっている。
本作では、マーク・ダーシー(コリン・ファース)との関係が終わってから数年後の日々が描かれている。ブリジットは43歳になり、いまだ独身。しかし、カーディガンに顔を埋めながら「いつか孤独死してジャーマンシェパードに食べられる」という想像をして嘆くが、ニュース番組の敏腕プロデューサーという素晴らしいキャリアを築いていた。
彼女の友人たちは皆落ち着いて育児中ということもあり、新たにパーティー好きなミレニアル世代のミランダ(サラ・ソルマーニ)という親友ができた。そんなブリジットは性的に最盛期を過ぎたことを打ち明けた後に、酔っ払った勢いで一夜限りの関係を2度持ち、予想外に妊娠したことが判明する。父親は忘れられない元恋人マーク・ダーシーだろうか。それとも、セクシーなアメリカ人の億万長者ジャック(パトリック・デンプシー)なのだろうか。
脚本は、ダン・メイザー、ヘレン・フィールディング、エマ・トンプソンが共同で手がけた。エマ・トンプソンは、劇中で辛辣な医師という愉快な役も演じていた。そして、ブリジットがカロリーやヒップのサイズを気にするという90年代のような描写が描かれる。また本作は、男性たちとではなく、お腹で育つ赤ちゃんと彼女のラブストーリーでもある。レネー・ゼルウィガーは、より心優しく、より賢くなりながらも、いまだ大馬鹿者になれる才能を残したブリジット・ジョーンズを好演していた。
2016年10月29日(土)全国ロードショー
テキスト:Cath Clarke
翻訳:小山瑠美