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主要キャストを女性に変更し、賛否両論を呼んでいる映画『ゴーストバスターズ』がついに公開される。今回の新たな『ゴーストバスターズ』で監督を務めたポール・フェイグは、脚本家のケイティー・ディポールドと組んで、1984年のオリジナル作品とは異なるシャープな雰囲気でリメイク作品が独自の魅力を放つようにした。説教臭い大学の学長、傲慢なニューヨーク市長と、男性兵士の部隊は、独創性に溢れた4人の女性たちが中心となったチームによって中和されている。
メリッサ・マッカーシーとクリステン・ウィグが演じるアビーとエリンは、超自然についての460ページの研究書『過去のゴースト 嘘のようで本当の話』の共同著者。エリンの学者としてのキャリアが立ち消えになった後で両者は再び引き合わされることになる。悪いゴーストたちがニューヨークの地下に出現するようになり、チームはレスリー・ジョーンズ演じるタフな地下鉄職員を仲間に加え、オリジナル版のようにトライベカ地区にある古い消防署に戻っていくのかと思いきや、賃貸料が高すぎるので、代わりに中華レストランの上にオフィスを構えることになる。
映画で最も魅力的だったのはケイト・マッキノンが演じるプラスチックのゴーグルがトレードマークのキャラクター、ホルツマンだ。オリジナル版でハロルド・ライミスが演じたカビと細菌を収集するのが好きなキャラクターが大まかなベースとなっている。ホルツマンの身振り手振りは何から何までおかしかった。人を馬鹿にした得意げなジェスチャーからおちゃめなウィンク、まくしたてる悪口まで、様々な演技を見事にこなしていた。彼女の演技のために映画を観るべきと言っても過言ではないだろう。
映画の最初の方はやや不安定で、オリジナル版へのオマージュを少しやりすぎているように見えた。マシュマロマンが再登場するほか、懐かしのカメオが次から次へと出てくる。映画の舞台としておなじみのニューヨークはオリジナル版では刺激的に映ったが、今作ではそのエネルギーが見られなかった。とはいえ、自分の知性を誇りにする女性チームが活躍する今作はこの夏必見の映画となっている。こうした事実もまた超自然現象のひとつと呼べるかもしれない。
2016年8月19日(金)全国ロードショー
テキスト: JOSHUA ROTHKOPF
翻訳:小山瑠美