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前作『ピッチ・パーフェクト』 から3年、アカペラガールズが再び美しい歌声を響かせる。続編の冒頭では、アカペラグループのペラーズが、オバマ大統領の面前で失態を起こしてしまう。数千人の観客を前に、大統領のために歌を歌っている最中に、太ったアミィ (レベル・ウィルソン)のドレスに問題が起こり、下半身がテレビに生中継されてしまうのだ。テレビ各社は面白がってニュースで伝え、これをニクソン大統領のウォーターゲート事件に倣ってマフゲート事件 (マフはへまと局部の意味を持つシャレ)と名付けた。
しばらく、笑えず、歌の一つも歌う気になれないようなシーンが続くが、やがてロックモキュメンタリー 『スパイナル・タップ』 のような盛り上がりがやってくる。ペラーズの名声を取り戻すには、オランダで開かれるアカペラ世界大会で優勝を果たすしかない。この大会は、ロックオタクたちにとってのグラストンベリーのようなものだ。しかし、ペラーズの前には、黒いレザーのユニフォームを着てすさまじいテクノを響かせるドイツチーム、ダス・サウンドマシーンが立ちはだかるのであった。
『ピッチ・パーフェクト2』 は間抜けだが、心温まる映画だ。そしてもう1つの筋書きがしっかりと並行して進んでいく。ベッカ (アナ・ケンドリック)がインターンとして、スヌープ・ドッグとクリスマスアルバムを制作している腕利きのプロデューサーのもとで働くのだ。前作もだが、繰り返し聞きたくて思わずケータイの録音スイッチを押してしまいそうな素敵な台詞もある(「何て言ったの? 負け犬とは喋りたくない」など)。今回も、ジョージ・オズボーンの台詞を素晴らしく引き立たせた、レベル・ウィルソンの姿がクールに描かれていた。
2015年10月9日(金) TOHOシネマズ六本木ヒルズ にて先行、10月16日(金) 全国ロードショー
配給:シンカ、パルコ
(C)Universal Pictures