1. グラフィックトライアル 2024
    Photo: minami津田淳子/大島依提亜 展示風景
  2. 犬派?猫派?―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―
    Photo: Ryuichiro Sato長沢芦雪「菊花子犬図」、18世紀、絹本・彩色、個人蔵
  3. シュルレアリスムやポップアートにも影響、過去最大級のデ・キリコ展が開催中
    Photo: Keisuke Tanigawa「予言者」(1914〜15年、ニューヨーク近代美術館蔵)© Giorgio de Chirico, by SIAE 2024
  4. Human Baltic
    Photo: Kisa Toyoshimaアレクサンドラス・マシアウスカス シリーズ「農村市場」より
  5. 三島喜美代―未来への記憶
    Photo: Keisuke Tanigawa 「Work 21-C2」(2021年、個人蔵)
  6. 石川九楊大全
    画像提供:石川九楊大全実行委員会
  7. Human Baltic
    Photo: Kisa Toyoshimaビオレタ・ブベリーテ シリーズ「ヌード」より

東京、6月から7月に行くべきアート展

アートにあふれる街、東京で見逃せない展示を紹介

Naomi
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Time Out Tokyo Editors
Naomi
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東京の人気ギャラリーや美術館で開催するアート展を紹介。6月から7月にかけては、20世紀を代表するイタリアの巨匠であるジョルジョ・デ・キリコの過去最大規模、国内外の現代美術界において書への注目度が年々高まる中、長年にわたり書の美を追求してきた書家・石川九楊の大規模個展、世界20カ国から72のギャラリーが参加する国際アートフェア「Tokyo Gendai」、津田淳子や大島依提亜らが参加し、印刷表現の可能性を探る展覧会など注目の展示が目白押し。ぜひチェックしてほしい。

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  • アート
  • 練馬

1950年代から70年もの長きにわたり、現代美術家として活動を続ける三島喜美代。2020年以降、受賞や展覧会が相次ぎ、国内以上に海外からの評価が急上昇している彼女の待望の大規模個展が「練馬区立美術館」で開催される。

これまであまり展示されてこなかった活動初期の油彩画などの平面作品から、1960年代以降の新聞や雑誌などをコラージュした作品や、1970年ごろの陶にシルクスクリーンで印刷物を転写した多様な立体作品や、1970年ごろの産業廃棄物を素材に取り込んだ近作まで、約90点が展示予定だ。

特に必見なのが、三島の代表作にして最大規模のインスタレーション「20世紀の記憶」(1984〜2013年)。本展のために、常設展示されているアートスペース「アートファクトリー(ART FACTORY)城南島」を初めて離れ、美術館内に展示される。20世紀の100年間から抜き出した新聞記事が転写された耐火レンガブロックが敷き詰められた展示室は、まさに歴史が迫ってくるような圧巻の光景だろう。

  • アート
  • アート

20世紀を代表するイタリアの巨匠、ジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico、1888〜1978年)の過去最大規模とも言える回顧展が、上野の「東京都美術館」で2024年8月29日(木)まで開催されている。

およそ70年にわたり多様なテーマで表現し続けたデ・キリコの画業を、初期から晩年まで、約100点以上の作品を通して網羅的に紹介する。世界各国の美術館や個人コレクションの絵画、彫刻や舞台美術の仕事などもまとめて展示される、非常に貴重な機会だ。

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  • アート
  • みなとみらい

2023年7月に第1回を迎えた国際アートフェア「Tokyo Gendai(東京現代)」。第2回の今年も、横浜・みなとみらいの「パシフィコ横浜」で開催する。

2024年は、「麻布台ヒルズ」についにオープンする「ペースギャラリー(Pace Gallery)」など、世界20カ国から72のギャラリーが参加。全ギャラリーの詳細は公式ウェブサイトで確認できる。

会場は、ギャラリーの代表作家によるクオリティーの高い展示「Galleries(ギャラリーズ)」、新人または中堅のアーティストの作品を展示する「Hana 'Flower'」、著名な作家または歴史的に重要なアーティストを特集する「Eda 'Branch'」といった3つのセクターに分かれてレイアウトされる。

Time Out Tokyoでは、Tokyo Gendaiのメディアパートナーとしてさらに15%割引のチケットを提供している。

  • アート
  • 上野

国内外の現代美術において、書への注目度が年々高まる中、長年にわたり書の美を追求してきた書家の石川九楊(いしかわ・きゅうよう、1945年~)が、「上野の森美術館」を会場に2カ月にわたって大規模な個展を開催する。

会期の前半、6月に開催する「【古典篇】遠くまで行くんだ」では、代表作「歎異抄」「源氏物語」はじめ「李賀詩」「徒然草」「方丈記」「良寛詩」など、日本・中国の古典文学を題材にした作品群を展示。後半の7月に開催する「【状況篇】言葉は雨のように降りそそいだ」では、書は「文字を書くのではなく、言葉を書く表現」と考える石川が研究した、「言葉の表現」としての書を紹介する。

「書は『筆蝕(ひっしょく)』の芸術である」として、書の構造や歴史を読み解き、評論家としても活躍してきた石川。書の創作活動と、日本語論・日本文化論などの執筆活動の双方で最前線の取り組みを続けてきた。会期中には、筆蝕を計測・解析・数値化し音楽にした作品の演奏会や、石川が登壇する講演会も開催される。

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  • アート
  • アート

南青山の「スパイラル(SPIRAL)」で、ソビエト時代のバルト三国に暮らした人々を活写する展覧会「Human Baltic われら バルトに生きて」が、2024年6月9日(日)まで開催中だ。1960年代から1990年代にかけて制作された作品を中心に構成された本展では、宗教や性がタブー視されたソビエト連邦の占領下にありながら、ヒューマニズムを貫こうとした写真家たちの実践の数々を知ることができる。

バルト三国と聞いて、まず何を思い浮かべるだろうか。最も北に位置するエストニアは、IT先進国として耳にする機会が増えた国だ。南側の隣国ラトビアは、手編みのミトンなどのクラフトが日本でも一部で高い人気を得ている。かつて栄えたリトアニア大公国の名前を歴史の授業で聞き知った人は多いだろうが、アート好きならむしろフルクサスの創始者ジョージ・マチューナス(George Maciunas)や、映像作家で詩人のジョナス・メカス(Jonas Mekas)の出身地として、最南のリトアニアを認識しているかもしれない。

バルト海沿岸のこれらの国について親しむ経験を日本で得ることは難しいが、まさに本展はそうした機会を提供してくれるものだ。ソビエトによる支配に静かに抗いながら独自の写真表現を続けた、本展で紹介される17人の作品は、数多くの文脈をはらんでおり、一見して分かりにくいものもある。会場で配布されている冊子には、本展キュレーターらによる詳細な解説も収められている。本記事も同解説に寄るところが大きいので、ぜひとも会場で手に取って作品鑑賞の手引きとしてほしい。

  • アート
  • アート

世界最大規模を誇る総合印刷会社であるTOPPANグループが、第一線で活躍するクリエーターとともに新たな印刷表現を探るプロジェクト「グラフィックトライアル(GRAPHIC TRIAL)」が、「TOPPAN小石川本社ビル」内の「印刷博物館 P&Pギャラリー」で今年も開催中だ

毎回、オフセットなどの印刷技術を基本としながらも、さまざまな加工や表現を実験的に取り入れた試みで、印刷ファンのみならずデザイン好きに驚きを与えてくれる意欲的な展示を行っている。

18回目となる今回は「あそび」をテーマに、日比野克彦、岡崎智弘、津田淳子/大島依提亜(いであ)、生島大輔という4組のクリエーターが参加する。いずれも「ポスター」というメディアの限界を軽やかに飛び越えるような、まさに遊び心にあふれたアイデアを惜しみなく披露している。

2024年7月7日(日)まで。入場は無料だが、地下の印刷博物館展示室には別途入場料が必要となる。

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  • アート
  • 広尾

江戸時代から現代まで、犬と猫を題材とした名作を紹介する展覧会が「山種美術館」で開催中だ。併せて、身近な動物を描いた作品も展示している。

本展で初公開となる「《洋犬・遊女図屛風》(個人蔵)」は、当時日本では珍しかった洋犬が描かれている貴重な作品。ほかに、江戸時代を代表する日本画家の俵屋宗達、伊藤若冲、歌川国芳や、明治以降の竹内栖鳳、川端龍子、藤田嗣治、現在活躍中の山口晃など、多彩な画家たちによる犬と猫を題材とした名品を展示される。

特集展示では、菱田春草の「《柏ニ小鳥》」を初公開。横山大観や上村松篁による、花鳥画の名品も展示する。さらに館内では、「ゆるかわ犬」として人気の「長沢芦雪《菊花子犬図》(個人蔵)」と、美術館のレジェンド猫「竹内栖鳳《班猫》【重要文化財】(山種美術館)」を、自分のスマートフォンで撮影できる特別コーナーもある。

時空を超えて、動物たちに癒やされに出かけてみては。

  • アート
  • 青山

「プラダ 青山店」で、アメリカの映画監督でアーティスト、作家でもあるミランダ・ジュライ(Miranda July)の都内初開催の個展「MIRANDA JULY: F.A.M.I.L.Y.」か行われている。

最新作「F.A.M.I.L.Y. (Falling Apart Meanwhile I Love You)」は、大型のモニターを使用したマルチチャンネルビデオインスタレーション。ジュライからInstagramを介して与えられる一連のプロンプトに、7人の見知らぬ相手が返信したリアクション動画、ジュライが無料編集アプリ使って取り込んで完成させた

1年にもわたるコミュニケーションを経て完成し本作は、新しい身体言語を通じて、親密さと境界線を模索するユニークな作品と言える。

なお、ミラノにあるプラダ財団の展示スペース「オッセルヴァトリオ(Osservatorio)」でも、ジュライの個展「Miranda July: New Society」が2024年10月14日(月)まで開催中だ。

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  • アート
  • 原宿

東京・外苑前の「ワタリウム美術館」で、独自の創作活動を続ける美術家・梅津庸一が手がけるコレクション展が開催中だ。

本展は、美術館の前身である「ギャルリー・ワタリ」時代(1972~88年)に、初代館長だった和多利志津子(わたり・しずこ、1932~2012年)が収集したものの、ほとんどが未公開だったコレクション群を軸に、現代作家を含む44人の作品で構成している。

猪熊弦一郎、瀧口修造、篠田桃紅、駒井哲郎、宇野亞喜良ら、幅広い作家の知られざるコレクションを鑑賞できる、豪華かつユニークな機会ながら、梅津は本展に際して、「アーティストキュレーターとして振る舞うのではなく「エキシビションメーカー」の精神に立ち返りたい」「いま一度、美術のいち観客でもある自分が観たいと思える展覧会と出会い直したい。」とコメントしている。

展示方法にも工夫が凝らされている。美術館でぜひ体感してほしい。

  • アート
  • 早稲田

越路吹雪(こしじ・ふぶき、1924~80年)は、宝塚歌劇団のトップスターとして活躍し、退団後は「シャンソンの女王」と呼ばれた伝説のスターだ。その生誕100年を記念した企画展が、東京・新宿の「早稲田大学演劇博物館」で開催されている。

越路は宝塚時代からおしゃれに関心が高く、1953年に初めての海外旅行でフランスを訪れ、パリの舞台やファッションに刺激を受けた。後年に開催していた自身のリサイタルでは「イヴ・サンローラン」のオートクチュールドレスを着こなすなど、憧れの存在であり続けた。本展では、彼女の舞台衣装やアクセサリー、愛用した香水などとともに、当時の映像やポスターなどの資料も展示されている。

1928年に開館した「早稲田大学演劇博物館」は、100万点にもおよぶ国内外の演劇・映像コレクションを所蔵する、非常に珍しく貴重なミュージアムだ。早稲田大学の構内にあり、誰でも訪れることができる。

※10~17時、火・金曜は19時まで)/入場は閉場の30分前まで/休館日は5月29日、6月5日・19日、7月3日・17日/料金は無料

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  • アート
  • 六本木

「源氏物語」をはじめとした古典文学の世界が、NHK大河ドラマの影響でにわかに注目を集めている。そんな中、古来から語り読み継がれてきた物語や歌をもとに、桃山から明治時代にかけて描かれた絵巻やびょうぶ絵を紹介する企画展が開催される。

平安時代、宮廷や社寺の一級の絵師が、貴人の美意識に寄り添い描いた「やまと絵」。その精細な描写や典雅な色彩などの様式を継承し描かれたのが、のちの物語絵や歌絵と呼ばれる作品群だ。

本展は「泉屋博古館東京」が所蔵する住友家のコレクションから、「平家物語」や「伊勢物語」などを題材に描かれた、えりすぐりの作品を展示する。平安時代の雅やかで華麗、時にユーモラスに表現された作品の世界をたっぷりと楽しみたい。

また会期中には、企画を担当した学芸員によるトークや、「京ことばで楽しむ源氏物語図屏風」などのイベントもいくつか企画されている。公式ウェブサイトから申し込んでほしい(先着制・一部有料)。

※11~18時(金曜は19時まで)/入場は閉場の30分前まで/休館日は月曜(7月15日は開館)、7月16日/料金は1,000円、学生600円、中学生以下は無料

  • アート
  • 原宿

原宿にある浮世絵専門のミュージアム「太田記念美術館」で、歌川国芳(うたがわ・くによし、1797~1861年)のによる団扇絵(うちわえ)だけを特集した企画展を開催する。

江戸時代も現代も、暑さをしのぐ道具であり、役者や俳優などを応援するための推し活グッズでもあったうちわ。そのための浮世絵は人気が高く、実用品としてぼろぼろになるまで使われていた。現存する数は少ないものの、本展では国芳が手がけた団扇絵を、前・後期で全作品展示替えし、計220点を展示する。うち、約100点が初公開だ。

役者絵や美人画、謎解き尽くしのユニークなものから、店の宣伝用に作られたものまで、江戸時代の庶民の暮らしや娯楽が伝わってくる。目にも楽しくて涼しげな、人気絵師・国芳の団扇絵の世界を存分に楽しんでほしい。

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  • アート
  • 中目黒

手書き文字をカラフルなネオン管で忠実に再現し、それを見て描く絵画「Shape of Your Words」シリーズで知られる横山奈美の個展が、中目黒のアートスペース「エヌ アンド エー アートサイト(N&A Art SITE)」で開催。「Sky」という言葉をモチーフに描かれた新作絵画を約10点展示する。

テーマ着想のきっかけは、「目で見るものが自分にとっては当たり前だとしても、他者にとっては全く異なる景色に見えていると感じた」ことで、「同じ空を見上げたり、同じ物事について考えていても、それぞれの目に映る景色や思考は異なるのでは。その違いをどのようにしたら共有できるのか」というステートメントが掲げられている。

本展はギャラリーの代表である南條史生が企画する「NANJO SELECTION」の第4弾。森美術館「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」や「VOCA展2023」など、美術館やギャラリーを問わず多くの展示を行ってきた横山の新作が楽しみだ。

  • アート
  • 神泉

美しい曲線と鮮やかな色彩に、草花や昆虫などのデザインで、ガラス工芸をアートへと高めたフランスのガラス作家、エミール・ガレ(Emile Galle)。渋谷区立松濤美術館で開催される本展は、これまで紹介される機会の少なかった国内の個人コレクターが所蔵する貴重な作品を中心に、ガレの創作の足跡をたどる企画展だ。

中世やルネサンス、ロココの美術様式から着想を得た初期作や、日本や中国といった東洋の文化から影響を受けた作品、晩年に病と戦いながら数多く制作したランプなど、アールヌーボーの華やかな作品が楽しめる。

幼少期から、歴史や語学、文学、哲学、そして植物学と、非常に幅広く深い教養を持ち合わせていただけでなく、家業だったガラス・陶器製造販売の経営を引き継いだガレ。さらには、植物学者としても精力的に活動している。マルチクリエーターであり、敏腕経営者でもあったガレの人生を知る機会となりそうだ。

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  • Things to do
  • 横須賀

スタジオジブリのプロデューサーとして知られる鈴木敏夫。数々の偉業を残してきた鈴木の軌跡をたどる巡回展が、今回は神奈川県横須賀市の「横須賀美術館」で開催。

鈴木が書き下ろした書やイラストをはじめ、ジブリ作品の資料などを展示。そのほか、幼少期に影響を受けた本と漫画にスポットを当て、8800冊の名著を紹介する。圧巻の巨大本棚は「れんが屋」と呼ばれる鈴木の隠れ家をもとに構成されており、ジブリの世界をよりディープに体感できるだろう。

神奈川展では、猿島観光の拠点である「三笠ターミナル」で特別展示が実施される。ジブリと横須賀、どちらの魅力も存分に味わおう。

  • アート
  • アート

シカゴのサウスサイド地区を拠点に活動する現代美術家であるシアスター・ゲイツ(Theaster Gates)のアジア最大規模にして、日本初となる個展が六本木の「森美術館」で開催中だ。ゲイツは、陶芸作品や彫刻を中心に、建築、音楽、パフォーマンス、ファッション、デザインなど、メディアやジャンルを横断する活動で、国際的に高く評価されている人物である。

本展では、常滑の陶工や酒蔵、京都の老舗企業ともコラボレーションした大型インスタレーションや、陶芸家・小出芳弘が遺した2万点以上の作品群などを展示。また、ゲイツが運営するシカゴのアートスペース「Stony Island Arts Bank​」の中のライブラリーから、約2万冊を移送・再現展示したブックラウンジなども見逃せない。毎週日曜日の14~17時にはオルガン奏者が演奏するパフォーマンスも行われる。

世界で注目を集めるブラックアートの魅力を知れると同時に、陶芸や建築、アートスペースの立ち上げ、映像や音楽といった多角的な実践を幅広く紹介。手仕事への称賛、「民藝(みんげい)」への共感や思い、人種や政治への問い、文化の新たな融合をうたう現代アートの意義など、ゲイツの活動の中にある、重層的に存在するさまざまなテーマや考え方に思いを馳せてみては。

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  • アート
  • 用賀

約100年前に思想家の柳宗悦が説いた民衆的工藝、民藝。「衣・食・住」をテーマに、日々の生活の中で用いられてきた品々を約150点を展示する。

かつて柳は陶磁・染織・木工などあらゆる工芸品から絵画や家具に至るまで、世界各地で収集をしていた。その中で無名の職人が作る民衆の日用雑器の美に関心を抱き、1925年には「民藝(民芸、みんげい)」という新語を作り、共鳴する仲間たちと民藝運動をはじめた。

「民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある」では、着物、食器、ほうき、家具など日常生活の中にある品々に、柳の視点から見いだされた民藝美をひもといていく。

現代のライフスタイルと民藝を融合させた「これからの民藝スタイル」を提案するインスタレーションも展示。そのほかに「民藝フィルムアーカイブ上映会」や、講演会、トークイベント、公開制作なども行われる。詳細は公式ウェブサイトで確認してほしい。

洗練された民藝美を体験しに出かけてみては。

  • アート
  • 駒場東大前

駒場の「日本民藝館」で、明時代末期の中国・景徳鎮民窯(けいとくちんみんよう)において日本への輸出品として作られた古染付(こそめつけ)約50点をまとめて展示・公開する。

同館は、思想家の柳宗悦(やなぎ・むねよし)が明治から昭和にかけて収集した陶磁器や染織、漆芸、絵画などのコレクションを展示し、国内外から人気を集める美術館だ。多くの茶人たちにも愛された古染付を、柳は「真に染付としての生命がよみがえっている」と、賛美している。

古染付の魅力は、多様な形と、のびのびと描かれたユーモラスな絵付けだろう。草木や動物、人物などの表情は、現代の私たちも思わず笑ってしまう素朴な味わいがある。今でも骨董(こっとう)店などで売買されている中国の古染付。まずはどんな形や図柄があるのかを楽しみに、足を運んでみてほしい。

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  • アート
  • 恵比寿

恵比寿の「東京都写真美術館」が所蔵する3万7000点超の所蔵作品群から、「時間旅行」をテーマにしたコレクション展を開催。今から100年前の1924年を起点に、「1924年ー大正13年」「昭和モダン街」など、5つのセクションごとに、写真や映像などを紹介する。

同館ならではと言えるセクションが「かつて ここで「ヱビスビール」の記憶」だ。ビール醸造所があった同地の記録写真や、明治・大正・昭和初期の広告ポスター、そして1990年に工場が解体されていく姿を捉えた宮本隆司のシリーズ「建築の黙示録」から、「サッポロビール恵比寿工場」を展示する。

また本展は、1924年に宮沢賢治が刊行した「心象スケッチ 春と修羅」の序文の言葉を手がかりに展開するものでもある。戦前・戦後、そして現代と、時空を超えたイマジネーションの旅を、100年前の詩人の言葉とともに楽しんでみては。

  • アート
  • 新宿

インテリアやプロダクトなどのさまざまなデザインや、トーベ・ヤンソン(Tove Marika Jansson)の物語「ムーミン」など、日本人にとって馴染み深い北欧の国々。「北欧の神秘 ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」は、「ノルウェー国立美術館」「スウェーデン国立美術館」「フィンランド国立アテネウム美術館」の3館からえりすぐりの絵画コレクションが来日する、国内初の北欧絵画展だ。

ノルウェーの画家エドヴァルド・ムンクや、フィンランドの画家アクセリ・ガッレン=カッレラ(Akseli Gallen-Kallela)など、19世紀から20世紀初頭の国民的な画家たちの作品約70点を紹介。豊かな自然を描いた風景画や、憂いある色彩が特徴的な肖像画、神話をモチーフにしたドラマチックな作品など異なるテーマを通して、北欧の国々の作品に通底する空気感や色彩を伝える。

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  • アート
  • 茅ヶ崎

緑豊かな緑地公園内にある「茅ヶ崎市美術館」で、鎌倉とロサンゼルスを拠点に活動するフランシス真悟の個展「Exploring Color and Space―色と空間を冒険する」が開催。作品と対峙(たいじ)してこそ分かる、何層にも及ぶ色の重なりや、色と色の微細な組み合わせと質感が味わえる。

フランシスは、1969年にカリフォルニア州サンタモニカで生まれた。3歳から12歳までを日本で過ごし、現在は鎌倉とロサンゼルスを拠点に、絵画によってできることは何かを追究し続けている作家だ。抽象表現や禅の円相をも想起させる作品群は、国内外で高い評価を得ている。

本展では、顔料に含まれる無数の粒子に光が干渉することによって、観る角度や光の反射によりさまざまに表情を変えて移ろう色彩が記憶に残る「Interference」シリーズをはじめ、コロナ禍の閉塞(へいそく)的な状況の中、鮮やかな色彩と筆の動きで描かれた「Daily Drawing」シリーズなど、初期から最新作までが一堂に会する。

  • アート
  • 上野

平安時代末期、相次ぐ戦乱や頻発する天災、疫病、貧困などで先の見通せない厳しい時代に、「『南無阿弥陀仏』ととなえれば救われる」、という教えを説き、浄土宗を開いた法然。後に鎌倉仏教の一大宗派となった浄土宗の美術と歴史を、鎌倉時代から江戸時代まで通覧する史上初の展覧会が開催される。

2024年に浄土宗開宗850年を迎えることを記念し、上野の「東京国立博物館 平成館」や、京都、九州に巡回する本展では、鎌倉時代に描かれた「早来迎(はやらいごう)」の通称で知られる国宝「阿弥陀二十五菩薩来迎図(あみだにじゅうごぼさつらいごうず)」をはじめ、多数の重要文化財が一堂に会する。

戦争、天災、疫病などと向き合い、人々の救済を目指した法然やその継承者たちの姿、そして数百年にわたって大切に守り伝えられてきた品々は、時代の転換期を生きる現代の私たちへもヒントを与えてくれるだろう。

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  • アート

2020年に「東京都現代美術館」で開催された大規模な回顧展を契機に、国内外から再注目された石岡瑛子(1938〜2012年)。デザイナーやアートディレクターとして、広告、舞台、映画など多岐にわたる分野で国際的に活躍した。

「茨城県近代美術館」で開催される「石岡瑛子 I デザイン」は、生前最後のインタビューや評伝を手がけた編集者、河尻亨一(かわじり・こういち)らが監修。資生堂や「パルコ(PARCO)」の広告など前半期の代表作から、国内でアートディレクターとして采配を振るったポスターやCM、スケッチ、ブックデザインまで、約500点を一挙公開する。

新たな女性像や世間の価値観を根底から揺さぶるようなメッセージと仕事を数多く残した石岡瑛子。その創造の核となった哲学「I=私」を浮き彫りにする展示は、観る者全てに、圧倒的なパワーを感じさせてくれるはずだ。過去展を観ている人も、再訪を望む機会となるだろう。

  • アート
  • 京橋

20世紀彫刻の新たな表現を開拓した存在といわれ、マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)やイサム・ノグチ(Isamu Noguchi)らにも影響を与えた彫刻家、コンスタンティン・ブランクーシ(Constantin Brâncuşi)。石こうの「接吻」(1907〜1910年)や「ポガニー嬢Ⅱ」(1925年)をコレクションする京橋の「アーティゾン美術館」で、待望の企画展が開催される。

パリでロダンに見いだされるも、早々に独立したブランクーシ。自身の故郷であるルーマニアの文化や、同時代に発見されたアフリカ彫刻などに触れ、洗練された独自のフォルムと、素材への探求を続けた。

「ブランクーシ 本質を象る」には、パリのブランクーシ・エステートが協力。国内外で所蔵されている彫刻作品、フレスコやテンペラなどの絵画やドローイング、写真作品など約90点を展示する。事物の本質を見つめ続けたその足跡をたどろう。

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  • 清澄

シンガポール出身のホー・ツーニェン(Ho Tzu Nyen)は、映像やインスタレーション、演劇的パフォーマンスなどの作品を、アジアを中心に世界各地で発表してきた。日本でも2021年に「豊田市美術館」で開催した個展「ホー・ツーニェン 百鬼夜行」が記憶に新しい作家だ。

清澄白河の「東京都現代美術館」で開催される「ホー・ツーニェン エージェントのA」は、2003年のデビュー作「ウタマ—歴史に現れたる名はすべて我なり」から、3Dアニメーションを用いた2017年の「一頭あるいは数頭のトラ」、2021年に「山口情報芸術センター(YCAM)」とコラボレーションした「ヴォイス・オブ・ヴォイド—虚無の声」など、7点の映像インスタレーションを展示し、これまでの歴史的探求の軌跡を辿る。

また、新たな展開であり、国内初公開となる最新作「時間(タイム)のT」(2023年)も非常に興味深い作品だ。現代アート好きなら見逃せない貴重な企画展となるだろう。

  • アート
  • 清澄

清澄白河の「東京都現代美術館」で開催される「翻訳できない わたしの言葉」は、鑑賞者一人一人が、自分とは異なる誰かの「わたしの言葉」、そして自分自身の「わたしの言葉」を大切に思う機会を提示したい、という意図から企画された。

国内外で活動する5人の作家が参加。第一言語ではない言葉の発音がうまくできない様子を表現したユニ・ホン・シャープ(Yuni Hong Charpe)や、音声言語と視覚言語を用いた複数言語の「ゆらぎ」をテーマに作品を生み出すダンサー・パフォーマーの南雲麻衣、現代におけるアイヌの存在を個人の観点から探求するマユンキキらが、それぞれ映像インスタレーションを展示する。

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  • 六本木

「生活の中の美」を基本理念に、1961年の開館当初から絵画・陶磁・漆工・染織など日本の古美術や東西のガラスなど、約3000件のコレクションを収蔵してきた「サントリー美術館」。「サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品」は、これまであまり展示機会のなかった作品を紹介するコレクション展だ。

ユニークなタイトルの裏には、「名品」か「迷品」かといった、美術品の価値づけを巡る問いが投げかけられている。これまでほとんど注目されてこなかった知られざる「迷品」も、ユニークな逸話や意外な一面を知ることで「名品」に思えるかもしれないし、その逆もしかり。通常の作品解説に加え、学芸員によるマニアックな情報も紹介する。

  • アート
  • 白金台

大正ロマンを象徴する画家で詩人の竹久夢二の生誕140年・没後90年を記念した企画展が、目黒の「東京都庭園美術館」で開催される。

夢二は画業にとどまらず、詩や童謡の創作、封筒や絵はがきなどのデザイン、本の装丁や楽譜の表紙絵など、多彩な芸術活動を展開した。「あらゆる図案、文案、美術装飾」を請け負う「どんたく図案社」の企画や、生活と美術を結ぶことを理念とした「榛名山美術研究所」の建設など、生涯を通じて人々の暮らしを彩ることに関心を向けていた。

東京都庭園美術館は1933(昭和8)年に完成しているが、建築や室内装飾には、夢二が活躍していた過去時代の意匠や空気感がそこはかとなく感じられる。暮らしの中の美を体現する邸宅空間で、夢二の作品世界を堪能できる貴重な機会だ。また、会期中にきものを着て来館すると当日券を100円引きで購入できる。

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  • 神谷町

「走泥社(そうでいしゃ)」は、1948年に京都で結成され、50年にわたって活動した前衛陶芸家集団だ。伝統的な陶芸にとらわれず、実用性を伴わない「オブジェ焼」と呼ばれる作風で、戦後日本の陶芸界で中心的な役割を果たした。

1998年に解散してから本格的に走泥社を検証する本展は、日本の陶芸界に特に大きな影響を与えた1973年までの前半25年間にフォーカス。当時の陶芸界に影響を与えたパブロ・ピカソやイサム・ノグチの作品画像や、同時期に同じ京都で前衛運動を展開した「四耕会(しこうかい)」などの動向も交え、前衛陶芸が生まれた時代全体を振り返る。

昨年、京都からスタートした巡回展も、岐阜・岡山を経て、今回の虎ノ門「菊池寛実記念 智美術館」が最後になる。現代陶芸を専門とする私設館ならではの趣ある空間での展示は、これまでに各地で展示を観た方にも、改めて足を運んでほしい機会だ。

  • アート
  • 乃木坂

資本と情報が世界規模で移動する現代の状況を踏まえて造語された「遠距離現在 Universal / Remote」をタイトルに掲げた本展は、3年に及んだコロナ禍のパンデミックをきっかけに、社会の在り方や暮らし、仕事などさまざまな事象を8人と1組の作家が手がけた現代美術作品を通して考察する企画展だ。

「Pan- の規模で拡大し続ける社会」と「リモート化する個人」という2つのテーマから展示は展開される。前者では、人流を抑制するために国家権力が強化され、監視システムも容認されたにもかかわらず、加速度をつけて移動する経済資本や情報への問題意識を表現した作品群を紹介。井田大介の映像作品や、トレヴァー・パグレン(Trevor Paglen)の写真などを展示する。

後者では、オンラインで個人と個人が結びつき、家から出ずに国境を超えることが当たり前となった今、非接触を前提に遠隔化される個人の働き方や住まいについて表現した作品を展示。都市に存在する孤独を写真で表現したティナ・エングホフ(Tina Enghoff)や、ネットインフラを支える人々を写したチャ・ジェミン(차재민)、エヴァン・ロス(Evan Roth)のインスタレーションなどから考えていく。

2つのテーマを横断して展開する、地主麻衣子の映像作品にも注目だ。

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  • アート
  • 恵比寿

日本とベトナム、フィンランドのアーティスト7組による新作や日本未公開の作品など、70点以上を紹介する企画展示が恵比寿の「東京都写真美術館」で開催される。

展示の起点となっているのは、篠山紀信による写真と中平卓馬の批評が「対決」した雑誌「アサヒカメラ」での連載「決闘写真論」(1976年)。その中のポートレート写真「誕生日」を、展示室内で再現展示する。また、1970年代に4年間続けられた連載「家」と、2011年の東日本大震災を取材した「ATOKATA」との対比から、篠山の視点を探る。

さらに画家の村山悟郎による1000枚のドローイングを学習したAI(人工知能)を用いた作品や、画面に写ることのない不在の存在を想起させる作品を制作する米田知子の新作、小田原のどかの論考など、現代ならではの写真や映像表現の作品が紹介される。

事実の記録だけではない写真や映像の役割に着目し、鑑賞する者それぞれの記憶と、誰かの記憶や時代のイメージとが結びつくような感覚を味わえる機会だろう。

  • アート
  • 初台

日本を代表するイラストレーター・宇野亞喜良の過去最大規模となる展覧会が「東京オペラシティ アートギャラリー」で開催。宇野の初期から最新作までの全仕事を網羅する。

本展では、1950年代の企業広告や1960年代のアングラ演劇ポスター、絵本・児童書のイラスト、近年の俳句と少女をテーマにした絵画など、多くの作品の原画や資料等を展示。デビュー以来、華麗かつ耽美な作風で多岐にわたる仕事を行なってきた宇野のキャリアを体感してほしい。

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  • アート
  • 千葉

1960年代後半のアメリカで興ったミニマル・アートを代表する彫刻家のカール・アンドレ(Carl Andre)。日本の美術館における初個展が、作家夫妻と所属ギャラリーの全面協力により、千葉県佐倉市の「DIC川村記念美術館」で実現する。

天井高7メートル、広さ約400平方メートルの企画展示室を壁を立てずに使用。同一の形と大きさに加工した木、金属、石を床に直接置いて規則的に配した彫刻作品群や、日本では紹介されることの珍しい小さな彫刻も展示する。特にスケールの大きな作品として、人の背丈を越えるL字の金属板が並び、横幅15メートルにもおよぶ作品「上昇」(2011年)が展示される点も注目だ。

また、知る人ぞ知るアンドレの詩も紹介。タイプライターで打ち込まれた断片的な単語で構成されており、読んでも眺めても楽しめる。彫刻に通ずる空間的、構造的な認識や、文学、美術、歴史、政治など作家自身の幅広い思考が反映された作品といえるだろう。 彫刻と詩という離れた表現で展開する、簡潔ながらも単純ではないアンドレの作品を楽しんでほしい。

  • アート
  • みなとみらい

3年に一度開催されるアートの祭典「第8回横浜トリエンナーレ」が横浜で開幕。国際的に活躍するアーティスティックディレクター(以下AD)を招き、世界のアーティストたちが何を考え、どのような作品を制作しているかを紹介する。

第8回目となる今回のテーマは「野草:いま、ここで⽣きてる」。先行きの見えない現代を、野草のように無防備ながらたくましく生きようとするアーテイスト一人一人の姿に目を向ける。ADには北京からリウ・ディン(劉⿍)とキャロル・インホワ・ルー(盧迎華)を迎え、日本初出展者を含む多様な国と地域を持つ67組のアーテイストが参加する。

作品を鑑賞できるのは、3年にわたる工事休館を終えてリニューアルオープンを迎える「横浜美術館」「旧第一銀行横浜支店」「BankART KAIKO」の3会場(「野草:いま、ここで⽣きてる」鑑賞券の購入で同3会場に入場可能)。ほかに、「クイーンズスクエア横浜」「元町・中華街駅連絡通路」など町の中にも作品が展示される。

街がアートと一体化するこの機会に、ぜひ足を運んで体験してみよう。

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  • アート
  • 清澄

海外での展開も含め、さらなる飛躍とポテンシャルが期待できる国内の中堅アーティストを対象とした、トーキョーアーツアンドスペースと東京都が主催する現代美術賞「Tokyo Contemporary Art Award (TCAA)」。第4回の受賞者であるサエボーグと津田道子による個展が、「東京都現代美術館」で開催される。

両者は「身体」を一つの起点として、作品制作と身体表現の実践を行き来することで、その独自の表現を発展させてきた。隣り合う2つの展覧会は、制作に対する関心もアプローチも大きく異なり、それぞれが独立したものでありながら、展示室内での鑑賞者のふるまいが作品の一部となるという共通点を持つ。

鑑賞を通じて自身に向き合うことで、動物を含む他者との関係性や、社会的に期待された役割などに目を向けることにもなるだろう。

初日の2024年3月30日(土)には、作家らと選考委員が参加するアーティストトーク(要事前申込・先着順・無料)が行われるほか、会期中には展示空間と鑑賞者の身体を架橋する体験につながるようなパフォーマンスなども開催予定だ。

  • アート
  • 六本木

六本木の「21_21 DESIGN SIGHT」で、デザインエンジニアの山中俊治がディレクターを務める企画展が開催。最先端の研究や科学と、デザインの出合いによって芽生えつつある「未来のかけら」を探る。

山中は、2008年から慶應義塾大学で、2013年からは東京大学で教壇に立ってきた。本展では、これまで大学の研究室でさまざまな人と協働して生み出してきたプロトタイプやロボットと、それらの原点である山中のスケッチを紹介する。

また、専門領域の異なる7組のデザイナー、クリエーター、科学者や技術者らとコラボレーションした作品も展示する。荒牧悠 +舘知宏、A-POC ABLE ISSEY MIYAKE+Nature Architects、東京大学 DLX Design Lab+東京大学池内与志穂研究室など、多彩なメンバーが揃う。

キリンの解剖で知られる農学博士の郡司芽久と、「第25回文化庁メディア芸術祭」アート部門優秀賞受賞経験もあるエンジニア集団「nomena」の協働にも注目したい。 なお、会期中はオンライン上の架空のギャラリー「ELEMENT GALLERY」でも、同展の関連展示が開催される。

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  • アート
  • 六本木

ドイツ初のアーバンアートと現代アートに特化した美術館「Museum of Urban and Contemporary Art(MUCA)」のコレクション展が、大分と京都での巡回展を経て、ついに六本木の「森アーツセンターギャラリー」で開催される。

アーバンアートとは、壁や建物、道路や橋など公共の場所に描かれるグラフィティやポスター、ステンシルアートやモザイクアートなどのことを指す。本展では、バンクシー(Banksy)、カウズ(KAWS)、バリー・マッギー(Barry McGee)ら10人の作家にフォーカス。日本初公開の作品を含む約70点が展示される。

ポップアートからニューリアリズムまで、1200点もの作品をコレクションしてきたクリスチャン(Christian Utz)とステファニー・ウッツ(Stephanie Utz)夫妻が2016年に設立したMUCA。多様な作品を通して、都市環境の中の芸術、抽象絵画、社会・政治問題など、さまざまなテーマに思いを巡らせてみてほしい。

もっとアート散歩をするなら……

  • アート
  • 公共のアート

無数の美術館やギャラリーが存在し、常に多様な展覧会が開かれている東京。海外の芸術愛好家にとってもアジアトップクラスの目的地だ。しかし、貴重な展示会や美術館は料金がかさんでしまうのも事実。

そんなときは、東京の街を散策してみよう。著名な芸術家による傑作が、野外の至る所で鑑賞できる。特におすすめのスポットを紹介していく。

  • トラベル

東京には魅力的なアート展示や、パブリックアートなどがある。しかし建物が密集しているため、大規模なアート施設を新たに造ることは困難だろう。希少な絵画やサイトスペシフィックなインスタレーションを観たいのであれば、千葉、神奈川、埼玉といった近隣の県へ日帰りで出かけるのもいいかもしれない。

自然の中でリラックスしてアートに触れることができる休日に訪れたいアートスポットを紹介する。

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  • レストラン

ここではタイムアウトワールドワイドによる、ピカソやミロ、村上隆などの作品を楽しめる世界の「アートレストラン」を紹介。美術館に行く代わりに、レストランを予約してみるというのもいいかもしれない。

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